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ヘルスケアに関するコラム

2023年10月6日

心地良い朝を迎えるために知っておきたい、 レム睡眠 とノンレム睡眠の違いと役割

監修:マインドフルネス講師 関根朝之

 

 

レム睡眠とノンレム睡眠という言葉を聞いたことがありますか?
私達は寝ているとき、レム睡眠とノンレム睡眠という2種類の状態を一定のリズムで交互に繰り返しています。
それぞれは違う性質を持っており、快適な睡眠には欠かせないものです。

この記事では、レム睡眠とノンレム睡眠の違いと役割について解説します。

 

睡眠のリズム

 

 

日々の睡眠では、約90分の周期でレム睡眠とノンレム睡眠が交互に現れ、一晩に4~5回繰り返されます。
そのため、この90分の周期が4回繰り返された6時間か、5回繰り返された7時間半がすっきりと起きやすいタイミングと言われています。

 

 

レム睡眠


レム睡眠は、眠っているあいだに、閉じたまぶたの下で眼球が素早く動く「急速眼球運動(Rapid eye movement)」の頭文字をとってレム睡眠と呼ばれています。
レム睡眠のあいだ、体の姿勢を維持する筋肉は弛緩した状態となり、体は休息状態にあります。一方、脳の活動は起きている状態に近く、記憶の整理や定着を行っていると言われています。レム睡眠は一晩の睡眠の20%程度を占め、起きている間の学習量が多かった日は就寝時のレム睡眠の割合が増加することがわかっています。
夢をみるのはこのレム睡眠のときが多く、意識があるのに動けない「金縛り」もこの状態のときに起こります。

 

 

ノンレム睡眠


レム睡眠ではないという意味のノンレム睡眠は、睡眠の深さによって4段階に分けられます。
ノンレム睡眠のあいだは脳波の活動が低下し、脳の休息状態になります。体の筋肉の緊張は保たれ、睡眠が深くなるほど脳の休息も深まります。
眠りは深いノンレム睡眠から始まり、朝方に向けて徐々に浅いノンレム睡眠になっていきます。
ノンレム睡眠はぐっすり眠っている状態のため、多少の物音などでは目覚めません。しかし年齢を重ねると深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになり、睡眠中も目が冷めやすくなります。

 

 

ぐっすりと眠るには

レム睡眠では脳は覚醒しているため、レム睡眠の割合が増えると睡眠の質が低くなってしまいます。
日常の疲れやストレスから心身を回復させるには、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが重要です。
しかしレム睡眠の割合が多くなると、夜中に目が覚めたり、睡眠時間は十分なのに疲れがとれなかったりといったことが起こります。

レム睡眠とノンレム睡眠の適切なサイクルを保てるよう、以下のようなことに気をつけて過ごしましょう。

 

①ストレスを溜め込まない

ストレスや心配事が多く、交感神経が優位の状態が続くと、夜になっても脳が休めずレム睡眠の割合が増えてしまいます。また、心配事や不安が頭から離れず、寝付きにくくなってしまうこともあります。

 

②寝る前のアルコールやカフェインを避ける

アルコールやカフェインは覚醒作用があるため、就寝前に飲むと眠りが浅くなってしまいます。カフェインは半減期が4時間と言われているので、飲むなら午後の早い時間までにしましょう。アルコールの摂取も寝る3時間前までにするのが理想的です。

 

③お風呂の温度を上げすぎない

人間は体温が下がるタイミングで眠くなります。そのため寝る直前に入浴したり、42℃以上の熱すぎるお風呂に浸かったりすると、布団に入ったタイミングで十分に体温が下がらず眠りにくくなってしまいます。
入浴は寝る2~3時間前までに入るようにしましょう。

 

 

同じ睡眠にも、レム睡眠・ノンレム睡眠といった2種類の状態があり、異なる特徴を持ちます。それぞれを理解し、より質の高い睡眠をとって日々を元気に過ごせるように心がけましょう。