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ヘルスケアに関するコラム

2024年3月8日

歳を重ねると不整脈になりやすい?!高齢者の不整脈について解説

監修:循環器専門医師 磯谷善隆先生

 

不整脈という言葉を聞いたことがある人も多いでしょう。もしかすると健康診断で指摘されたことがある人もいるかもしれません。

不整脈は心臓の働きに乱れが生じた状態を指し、加齢によって増える傾向があります。

では具体的にどのような症状なのか、不整脈だと何が問題になるのかについて解説します。

 

 

 

心臓は4つの部屋に分かれていて、心臓の左側にある部屋を左心房、左心室、右側にある部屋を右心房、右心室と言います。これらが拡張と収縮を繰り返して、ポンプのように全身に血液を送っています。

心臓は通常、1分間に50~100回ほど規則正しく拍動しています。脈拍は年齢とともに減少し、65歳以上では1分間に60~80回程度になります。

 

心臓のポンプ機能は、心臓内に弱い電気が流れることでコントロールされています。電気が流れる伝達経路に問題が生じたり、本来とは異なる場所で電気が発生したりすると、心臓の働きに乱れが生じ、不整脈が起こります。

不整脈には、脈が遅くなる「徐脈」、早くなる「頻脈」、脈が飛んで不規則になる「期外収縮」の3種類があります。脈拍が60回未満になると徐脈、100回以上になると頻脈とされます。

 

 

 

不整脈は自覚症状がないことも多いですが、高齢者の不整脈の症状として多いのは、動悸、息切れ、だるさなどが挙げられます。

また、めまい、失神、けいれんなどが起こることもあります。これらは不整脈により心臓から押し出される血液量が少なくなり、脳に十分な血液が不足することで起こります。

 

気をつけるべき不整脈として、「心房細動」があります。

心房が痙攣し、脈拍が1分間に400~500回と非常に高くなる不整脈です。心房細動はすぐに命に関わるものではありませんが、血液がよどみ心臓内に血栓ができやすくなり、その血栓が脳の血管に飛んで詰まると「脳梗塞」を引き起こしてしまうことがあります。

 

脳梗塞は命を落とす可能性があり、一命を取り留めても後遺症で寝たきりや要介護になる可能性が非常に高くなります。

そのため治療や予防が非常に重要です。

 

 

加齢

不整脈は60歳以上で増えると言われており、加齢は不整脈の原因のひとつと言えます。

歳を重ねると身体機能が低下していくため、高齢者では不整脈が増加し、80歳を超えると10人に1人の方に不整脈があるといわれています。

 

遺伝や体質

遺伝により不整脈が起こることがあります。

不整脈は突然死に繋がりやすい病気であり、突然死をした方の原因がわかっていなくても、実は原因が不整脈だったという場合があり、家族にも遺伝性の不整脈がある可能性があります。

 

他の心疾患の持病がある

不整脈は他の心疾患によって生じやすくなることが知られています。心筋梗塞、心不全などにかかったことがある人や先天性心疾患の方は注意が必要です。

 

生活習慣病がある

心臓や心臓の血管に負荷がかかると、不整脈が起こりやすくなります。

糖尿病、高血圧、高尿酸血症、肥満などは心臓や血管の負担になるため、予防が重要です。

また、喫煙、飲酒、睡眠不足なども交感神経を刺激して電気の発生に異常を及ぼし、不整脈に繋がることがあります。規則正しく、健康的な生活を心がけましょう。

 

ストレス

同様に、ストレスも不整脈の原因になることがあります。交感神経はストレスの影響を受けやすく、不整脈を引き起こすことがあります。

ストレスを溜め込まないよう、適度な運動を取り入れたり、リフレッシュする時間を設けたりするようにしましょう。

 

 

 

脈拍は自分でも測ることができます。気になったときは、自分で確認してみましょう。

利き手の人差し指・中指・薬指の3本の指で、利き手でない側の手首の内側にある動脈を抑えて10 秒間測ります。その回数を6 倍すると1 分間の脈拍数が求められます。

正常な脈拍は、一定のリズムで、1分間に60~100回程度です。

 

脈拍計やスマートウォッチなどを利用することも有効です。また、定期的な健康診断も欠かさないようにしましょう。

 

 

脈の乱れがあり、息切れ、だるさ、めまい、失神、胸部の痛みなどがある人は必ず受診してください。

また、不整脈があって心配・不安を感じている人は、一度、循環器内科の受診をおすすめします。

 

不整脈は慣れてしまうと気にならないことも多いため、指摘されても医療機関を受診しないで放置してしまう人も多いですが、放置すると命の危険がある危険な不整脈の可能性もあります。

指摘があった場合は、早めに医療機関を受診するようにしましょう。