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ヘルスケアに関するコラム

2024年5月31日

もしかして不整脈?違和感を感じたらどうすればいい?

監修:循環器専門医師 磯谷善隆先生

 

日常生活の中で、時々心臓の鼓動が速くなったり、不規則になったりすることがあります。これは一時的なものであれば問題ありませんが、繰り返し起こる場合や症状がひどい場合は、不整脈の可能性があります。不整脈は脈の打ち方が正常ではなくなる状態であり、放置すると重篤な合併症を引き起こす可能性があります。

 

 

不整脈の症状

 

不整脈の症状は個人によって異なる場合がありますが、一般的な症状には以下のものがあります。

  

  • 動悸(どうき) – 脈が速くなったり、不規則になったりすることです。ドキドキする感覚や、心臓の動きに不快感を感じるような症状を感じる場合があります。

 

  • 息切れ – 軽い運動や日常的な活動でも息切れを感じることがあります。不整脈によって体内に酸素が行き届かず、酸素を取り込もうとして息切れが起こります。

 

  • めまいや失神 – 不整脈により脳の血流が低下し、めまいや失神が起こります。胸部の不快感などを伴うこともあります。

 

不整脈の受診方法

 

不整脈の症状を感じた場合、まずはかかりつけ医か、循環器内科を受診しましょう。

不整脈は放置すると致死的な病気に繋がる場合や、最悪の場合は「突然死」に繋がることもあります。そのため早期発見と予防が重要です。

症状を感じたら放置せず、医療機関を受診するようにしましょう。

 

不整脈のセルフチェック

 

 

脈拍は自分でも測ることができます。気になったときは、自分で確認してみましょう。

  1. 利き手の人差し指・中指・薬指の3本の指で、利き手でない側の手首の内側にある動脈を抑えて10 秒間測ります。
  2. その回数を6 倍すると1 分間の脈拍数が求められます。

正常な脈拍は、一定のリズムで、1分間に60~100回程度です。

不規則に感じる場合は、何度か繰り返して測り、リズムが乱れているようであれば不整脈の可能性があります。

脈拍計やスマートウォッチなどを利用することも有効です。また、定期的な健康診断も欠かさないようにしましょう。

 

不整脈の検査

 

 

不整脈の検査には、いくつかあります。症状に合わせて検査を行い、病名を診断します。また重症度に応じて治療方針を決めていきます。

・心電図検査
不整脈の診断に最も一般的に使用される検査です。心臓の動きを記録し、脈の乱れを測ります。

 

・ホルター心電図検査
24時間以上の長時間にわたって心電図を記録する検査です。短時間の検査では見つからなかった不整脈を発見することができます。

 

・負荷心電図検査
トレッドミルなどを使い、運動で体に不可をかけた状態での心電図を記録します。運動時にのみ発生する不整脈を調べることができます。

 

・心臓超音波検査
超音波という音を使い、心臓の状態を見ることができる検査です。心臓の壁の厚さや弁の動きなどを測定し、不整脈の原因となる病気がないかを調べます。

 

・心臓電気生理検査
カテーテルという細い管を足のつけ根の静脈から心臓の中に挿入する検査です。カテーテル先端の電極を心臓の壁にあてて心臓内の電気活動を記録し、不整脈の原因となる異常な電気信号を検知します。

 

・心臓CT/心臓MRI
不整脈の原因となりうる心臓の異常をみつけたり、治療を正確に行ったりするために、心臓の形を調べます。

 

 

不整脈は自覚症状がある場合とない場合があります。また、重大な病気や突然死に繋がることもあります。

そのため日々、自分の健康に留意し、気になる症状があったら早めに医療機関を受診してください。