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ヘルスケアに関するコラム
2024年8月6日
熱中症に気をつけよう!夏の運動と熱中症予防のポイント
監修:循環器専門医師 磯谷善隆先生
適度な運動は、健康を維持するために非常に重要です。しかし、気温が高くなると熱中症のリスクも高くなります。熱中症は体温調節機能がうまく働かなくなる状態で、体内に熱がこもって体温が上昇することで生じる健康障害の総称です。重篤な場合は命に関わることもあります。
近年は気温が上がって猛暑が続いており、環境省からは毎日のように熱中症警戒アラートが発表されています。
本記事では、夏に熱中症を避けながら運動に取り組む方法について詳しく解説します。
熱中症とは
熱中症の定義と症状
熱中症は、高温多湿な環境で体温が過度に上昇し、体温調節機能が破綻し、体内に熱がこもった状態を指します。以下のような症状が現れることがあります。
- ・頭痛
- ・めまい
- ・吐き気
- ・けいれん
- ・意識障害
熱中症の原因
熱中症の主な原因は、高温多湿な環境での運動や作業です。特に、体内の水分や塩分が不足すると、体温調節がうまくいかなくなります。また、高齢者や乳幼児、体調が良くない人などは体温調整がうまくできず、熱中症になりやすいため注意が必要です。
夏の運動と健康
夏でも適度な運動は心臓の健康を保つために重要です。しかし、過度な運動は逆効果となり、体に過剰な負担をかけることがあります。
心拍数の管理
運動中の心拍数を適切に管理することは、運動強度を調節するだけでなく、熱中症を避けるためにも重要です。
運動時、心拍数は増加します。運動の負荷やきつさを表す運動強度は、心拍数を用いて表すことができます。
運動中の効果的な心拍数は、運動の目的によって異なり、最大心拍数に対する割合が目安となります。
最大心拍数は年齢によって異なり、以下の計算式で求めることができます。
40歳の場合は、220-40=180で最大心拍数は180となります。
最大心拍数の60~70%を目指す場合、180×0.6~0.7=108~126なので、心拍数を108~126の間に保つと良いでしょう。
心拍数を測るには、心拍計を用いましょう。スマートウォッチなどのウェアラブルタイプも多く発売されています。
スポーツタイプや日常使いしやすいタイプなど、使いやすいものを見つけましょう。
熱中症を避けるための具体的な方法
水分補給
運動中はこまめに水分を補給することが重要です。軽い脱水症状では喉の乾きに気づかないこともあるため、喉が乾いていなくても、こまめに水分をとりましょう。
水分補給については、以下のポイントに注意してください。
- ・運動前、運動中、運動後に水分を摂取する
- ・スポーツドリンクを利用する
- ・利尿作用があるアルコールやカフェインの摂取を控える
適切な服装
夏の運動には、通気性の良い軽装が適しています。以下の点に注意して服装を選びましょう。
- ・吸湿速乾性のある素材を選ぶ
- ・帽子やサングラスを着用する
- ・熱を吸収しやすい黒い服ではなく、白や明るい色の服を選ぶ
運動時間や場所の調整
運動する時間帯や場所も熱中症を避けるために重要です。外で行う場合は、以下のことに注意してください。
- ・午前10時から午後4時くらいまでの、最も暑い時間を避ける
- ・直射日光を避ける
- ・日陰や風通しの良い場所を選ぶ
また、適度な休憩を取ることも重要です。定期的に涼しい場所で休憩をとり、水分補給を行いましょう。
熱中症の初期症状に気づく方法
熱中症は予防も大切ですが、初期症状に気づいて適切に対応することが重要です。
以下のポイントに気をつけて、体調変化を見過ごさないようにしましょう。
心拍数の変化
心拍数が急激に上昇したり、不規則になったりする場合は、熱中症の初期症状の一つと考えられます。運動中に心拍数を常にチェックし、異常があればすぐに休むことが重要です。
体温の上昇
体温が異常に上昇することも熱中症のサインです。運動中に体が異常に熱く感じる場合は、すぐに運動を中止し、涼しい場所で休むようにしてください。
その他の症状
以下のような症状が現れた場合も、熱中症の初期症状と考えられます。
- ・異常な発汗
- ・唇がしびれる
- ・息切れ、呼吸が苦しい、過呼吸
運動中、おかしいと感じたら無理をせず休むようにしましょう。
自力で動ける場合は、涼しい場所に移動して水分を補給し、水や濡れタオルなどで体を冷やしてください。
まとめ
夏に運動をする際は、熱中症のリスクを避けるために適切な対策が必要です。
水分補給や適切な服装、運動時間の調整を行うことで、熱中症を予防することができます。心拍数の変化や体温の上昇など、初期症状に早めに気づくことも大切です。
これらのポイントを押さえて、安全に夏の運動を楽しみましょう。