Column
ヘルスケアに関するコラム
2023年9月15日
理想の睡眠時間、とれていますか? 睡眠不足 が続くと起こりうるリスクと睡眠の質を高める方法
監修:マインドフルネス講師 関根朝之
みなさんは、毎日じゅうぶんな睡眠時間をとれていますか?夜にきちんと眠っていても、日中に眠たくなる人は多いのではないでしょうか。
この記事では、睡眠不足が引き起こすリスクと、質の高い睡眠をとるための方法をご紹介します。
日本人の睡眠状況
厚生労働省の令和元年「国民健康・栄養調査」によると、1日の平均睡眠時間が6~7時間の人がもっとも多く、6時間未満の人も4割近くにのぼります。
また、日中に眠気を感じると回答した人も多く、仕事や育児、スマホやゲームが睡眠の妨げになっていることがわかっています。
経済協力開発機構(OECD)の調査では、日本は先進国の中で、睡眠時間が最も少ないという結果も出ており、日本人の 睡眠不足 は深刻です。
必要な睡眠時間は人によって異なりますが、朝起きるのがつらい、寝ても疲れがとれない、日中に眠くなってしまうようなことがあれば、睡眠が足りていない可能性があります。
睡眠はなぜ重要なの?
私たちは、人生の3分の1に近い時間を寝て過ごします。
その睡眠時間が短くなったり、質が悪くなったりすると、生活習慣病にかかるリスクがあがり、症状が悪化することが分かっています。
睡眠には、脳や体の疲れを回復、記憶の整理、細胞の修復や成長といった役割があります。眠っている間に成長ホルモンが分泌され、筋肉や骨の発達を促します。
また、眠っている間に日中に見たことや学んだことを整理し、定着させる働きもあります。
そのため睡眠が不足すると疲れがとれなかったり、仕事や勉強のパフォーマンスが悪くなったりなどの心身の不調につながります。
睡眠不足 が続くと、注意力の低下、記憶力・学習力の低下、代謝機能の低下、免疫力の低下などが起こることもあるので、注意が必要です。
睡眠不足は注意力などが低下し、仕事の生産性の低下にもつながります。アメリカのシンクタンク「ランド研究所」によると、睡眠不足による日本の経済損失は約15兆円とも言われており、深刻な問題となっています。
あなたの睡眠は大丈夫?
現代では、インターネットやスマートフォンの普及により、いつでも仕事ができたり映画などのエンターテイメントを楽しめたりする環境が整っています。それにより寝る直前までスマホなどのブルーライトや強い光を浴びることが増え、睡眠に影響を及ぼしています。
またコロナ禍でオンライン授業やリモートワークが普及したことで生活が不規則になりやすくなったことも、睡眠不足を助長する一因です。
過去1ヶ月の睡眠について、以下のようなことを感じたことはありませんか?
・朝起きても疲れがとれていない
・日中に倦怠感や眠気を感じる
・日中に眠気を感じ、生活や仕事に支障がある
・注意力が散漫になる
・集中力が続かない
・1日の睡眠時間が6時未満である
これらが当てはまる場合は、十分な睡眠がとれていない可能性があります。
しっかり眠るために
日中の活動や環境などが睡眠の質に影響します。良い睡眠をとるために、以下のことを心がけてみましょう。
①適度な運動をする
日中に体を動かし適度な疲労を感じることで、睡眠の質が高まります。適度な運動を習慣的に取り入れることがおすすめです。
散歩やストレッチ、ジョギングなどは日常生活に取り入れやすいのではないでしょうか。
ただし、眠る2~4時間前の運動はかえって覚醒してしまうので、控えましょう。
②眠る前にリラックスする
リラックスできる環境を整えることは、スムーズな入眠に効果的です。
カフェインには覚醒作用があるため、夕方以降はコーヒーや紅茶などのカフェインを含む飲み物は控えて、麦茶やハーブティーなどを摂るようにしましょう。
眠る直前の食事も睡眠の質を低下させてしまいます。眠る2時間以上前までに、食事を済ませるようにしましょう。どうしてもお腹が空いたときは、うどんやお茶漬けなど、暖かくて消化に良いものがおすすめです。
また、眠る前にはゆっくりと深呼吸を続けると心身のリラックスに繋がり、眠りやすくなるので効果的です。簡単に取り入れられるので、ぜひ試してみてください。
③環境を整える
快適な睡眠のために、自分が心地よいと感じる寝具を揃えましょう。
室内の環境としては、室温は20~25℃、湿度は50~60%が理想的と言われています。エアコンや加湿器を利用して、適切な環境を整えましょう。
また夜はできるだけ部屋を暗くして眠り、朝起きたら朝日を浴びると体内時計が整うのでおすすめです。
睡眠は日々のパフォーマンス向上のためだけではなく、健康を維持するためにもとても重要です。
睡眠不足を軽視せず、睡眠の質を高めて健やかな毎日を目指しましょう。