Column

ヘルスケアに関するコラム

2024年1月12日

冬を元気に過ごす! 免疫力 と睡眠の関係を知っておこう

監修:マインドフルネス講師 関根朝之

 

寒くなり風邪やインフルエンザなどが流行する冬。元気に過ごすためにも、免疫力を保つのが大切です。
どうすれば本来持っている免疫力を十分に発揮できるのでしょうか?
実は免疫力は、睡眠に密接に関わっているのです。

 

 

免疫とは、外部から侵入した病原体から身体を守る仕組みのこと。ウイルスや細菌、寄生虫などの異物が身体に入り込むと、自分の細胞と異物を見極めて異物に攻撃し、取り除きます。

 

<免疫の種類>

免疫には、自然免疫と獲得免疫の2種類があります。

 

 

・自然免疫
生まれつき身体に備わっている仕組みです。ウイルスや細菌などの特徴をとらえて、病原体が身体に入ってきたらすぐに攻撃を開始します。マクロファージ、好中球、NK細胞などと呼ばれる免疫細胞が活躍しています。

 

・獲得免疫
外から侵入してきた異物に反応して、獲得される免疫です。自然免疫で排除できなかった病原体を排除します。侵入してきた異物を記憶し、それに応じた攻撃方法を記憶することで、一度作った抗体や免疫物質をいつでも使えるように備えておくことができます。
ワクチンはこの獲得免疫を利用したもので、病気にかかるまえに病原体を無毒化・弱毒化したものを投与して体内で抗体を作っておき、本当に病気に感染したときに備えます。

 

 

病気にかからず元気に過ごすためには、体を守っている自然免疫を維持し、免疫力を高めておくことが重要です。ウイルスや細菌の感染をきっかけに分泌されるサイトカイン(免疫物質)は睡眠を促すことがわかっています。また、睡眠がサイトカインの分泌を促すこともわかっており、睡眠と免疫は深い関わりがあります。

 

風邪をひいたときにたっぷりと眠ることで回復が早まるのもこのためです。
そのため、日々の睡眠時間が短かったり質が悪かったりすると、免疫力が低下し病気や体調不良に繋がりやすくなってしまいます。

 


睡眠時間の平均が7時間未満の場合、睡眠時間が8時間以上の人と比べて風邪の発症率が上がるという研究データもあり、十分な睡眠を取ることが風邪の予防に重要であることがわかります。

 

 

厚生労働省の令和元年「国民健康・栄養調査」によると、日本では1日の平均睡眠時間が6~7時間の人がもっとも多く、6時間未満の人も4割近くにのぼります。
必要な睡眠時間は人によって異なりますが、一般的に7時間程度が必要と言われています。

 

インターネットやスマートフォンの普及により、仕事をしたりエンターテイメントを楽しんだりすることがいつでもできるようになったことも、睡眠の質に影響を及ぼしています。

 

  

過去1ヶ月の睡眠について、以下のようなことを感じたことはありませんか?

・朝起きても疲れがとれていない
・日中に倦怠感や眠気を感じる
・日中に眠気を感じ、生活や仕事に支障がある
・注意力が散漫になる
・集中力が続かない
・1日の睡眠時間が6時未満である

 

これらが当てはまる場合は、十分な睡眠がとれていない可能性があります。

 

 

質も量も十分な睡眠をとるためには、日々の生活習慣が鍵となります。
意識して心がけてみましょう。

 

 

①十分な睡眠時間を確保する

一般的に必要な睡眠時間は7時間程度と言われているため、睡眠時間が7時間以下の場合は、7時間を目指して睡眠時間を確保しましょう。
寝足りない場合や日中に眠気を感じる場合は、仮眠をとるのがおすすめです。仮眠をとる場合は午後3時までに、30分未満にしましょう。寝すぎるとその日の夜に眠れなくなってしまいます。

 

②寝る前のスマホを控える

スマホやPCから出るブルーライトは目を覚ましてしまいます。スマホはベッドに持ち込まないようにしましょう。また、寝る1時間前からはテレビや動画も控えるのがおすすめです。

 

③適度な運動をする

日中に体を動かし適度な疲労を感じることで、睡眠の質が高まります。適度な運動を習慣的に取り入れることがおすすめです。
散歩やストレッチ、ジョギングなどは日常生活に取り入れやすいのではないでしょうか。
ただし、眠る2~4時間前の運動はかえって覚醒してしまうので、控えましょう。

 

④朝起きたら太陽の光を浴びる

朝起きたら、まずはカーテンを開けて朝日を浴びましょう。朝日を浴びることで体内時計を調節することができます。
人間の体内時計は24時間よりも少し長いため、そのままにしていると毎日少しずつリズムが後ろ倒しになっていってしまいます。

 

⑤マインドフルネス呼吸を取り入れる

マインドフルネスとは、過去の経験や先入観にとらわれず、今この瞬間に集中している心の状態のことです。
深い呼吸はリラックスに最適です。マインドフルネス呼吸を実践することで、リラックスし、質の高い睡眠に繋がります。

 

【すぐできるマインドフルネス呼吸】
寝床で横になり、体の力を抜く。目は閉じましょう。
ゆっくりと呼吸を行う。4秒で息を吸い、10秒で息を吐きます。
自分の呼吸に意識を向け、吸った空気が全身に流れていくことをイメージしてください。
4回ほど呼吸を繰り返しましょう。

 

 

睡眠の質をあげるため、取り入れやすいものをご紹介しました。
質も量も十分な睡眠をとり、ウイルスや細菌に負けない身体を目指しましょう。