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ヘルスケアに関するコラム

2026年3月31日

ノンレム睡眠とレム睡眠の違い・役割とは|眠りの質を高める方法を解説

監修:マインドフルネス講師 関根朝之

「ノンレム睡眠」とは、どんな睡眠のことかご存じでしょうか。

「しっかり寝たはずなのに疲れが取れない」「夜中に何度も目が覚めてしまう」——その原因は、「ノンレム睡眠」の質にあるかもしれません。 私たちが眠っている間、脳と体は一定のサイクルで異なる状態を繰り返しています。なかでも「ノンレム睡眠」は、脳の疲労を回復し、心身のメンテナンスを行うための最も重要な時間です。

この記事では、ノンレム睡眠とは何か、レム睡眠との決定的な違いや、睡眠の質を根本から高めるための具体的な習慣について詳しく解説します。さらに、自分の睡眠の質を正確に知るための最新の検査方法についてもご紹介します。

スッキリ起きやすい睡眠時間は6時間or7時間半!「ノンレム睡眠」「レム睡眠」と起床の関係

人間の睡眠は、大きく分けて「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」の2種類が存在します。私たちが眠りにつくと、これら2つの睡眠状態が約90~120分の周期で、一晩に4〜5回交互に繰り返されます。

心地よい眠りとスッキリとした目覚めには、この睡眠の「リズム」が欠かせません。私たちの睡眠リズムは、「ノンレム睡眠」と「レム睡眠」が規則正しく入れ替わることによって形成されています。

一般的に、眠りが浅くなる「レム睡眠」のタイミングで起床すると、脳が起きる準備をしているためスムーズに目覚めやすいとされています。そのため、1つのサイクルを約90分と仮定した場合、これが4回繰り返される「6時間」、あるいは5回繰り返される「7時間半」が、朝すっきりと起きやすい理想的な睡眠時間の目安と言われています。

レム睡眠とは「体の休息・脳の活動」

レム睡眠(REM sleep)は「体を休ませて記憶を整理する睡眠」です。

レム睡眠は、眠っているあいだに、閉じたまぶたの下で眼球が素早く動く「急速眼球運動(Rapid eye movement)」の頭文字をとってレム睡眠と呼ばれています。

体の筋肉は完全に弛緩(脱力)して休んでいますが、脳は覚醒時に近いほど活発に動いており、日中の記憶の整理や定着を行っています。レム睡眠は一晩の睡眠の20%程度を占め、起きている間の学習量が多かった日は就寝時のレム睡眠の割合が増加することがわかっています。

私たちがストーリー性のあるはっきりとした「夢」を見るのは、主にこのレム睡眠のときが多く、意識があるのに動けない「金縛り」もこの状態のときに起こります。

ノンレム睡眠とは「脳の休息」

ノンレム睡眠(Non-REM sleep)とは、「脳を深く休ませる睡眠」です。

眠りについて最初に訪れる睡眠状態で、 ノンレム睡眠のあいだは脳波の活動が低下し、脳の休息状態になります。体の筋肉の緊張は保たれ、睡眠が深くなるほど脳の休息も深まります。自律神経のうち「副交感神経」が優位になるため、心拍数や血圧、呼吸が穏やかになり、心身がリラックスした状態になります。多少の物音では目覚めない「ぐっすりとした眠り」は、このノンレム睡眠を指します。

眠りはこの深いノンレム睡眠から始まり、朝方に向けて徐々に浅いノンレム睡眠になっていきます。
ノンレム睡眠はぐっすり眠っている状態のため、多少の物音などでは目覚めません。しかし年齢を重ねると深いノンレム睡眠が減って浅いノンレム睡眠が増えるようになり、睡眠中も目が冷めやすくなります。

ノンレム睡眠の3つのステージ(睡眠の深さ)

ノンレム睡眠は、眠りの深さによって3つの段階(ステージ)に分けられます。

  1. ステージN1(うとうと):覚醒から睡眠への移行期。浅い眠りで、周囲の物音などで簡単に目が覚めてしまう状態です。
  2. ステージN2(すやすや):安定した眠りに入った状態。一晩の睡眠の半分以上をこのステージが占めます。
  3. ステージN3(ぐっすり・徐波睡眠):最も深い眠りの段階。脳波がゆっくりと大きくなるため「徐波(じょは)睡眠」とも呼ばれます。起こされてもすぐには頭が働きません。

特に、入眠直後に訪れる最初の睡眠サイクルにおける「ステージN3(最も深いノンレム睡眠)」は、睡眠全体の質を左右する「黄金の90分」と呼ばれています。

ノンレム睡眠が持つ重要な4つの役割

なぜ私たちには深いノンレム睡眠が必要なのでしょうか?それには、生命維持に欠かせない以下の4つの役割があるからです。

1.脳の老廃物の排出と疲労回復

日中フル回転した脳には、アミロイドβなどの老廃物が蓄積します。深いノンレム睡眠中には、脳脊髄液の循環が活発になり、これらの「脳のゴミ」を洗い流す機能が働きます。これが不十分だと、将来的な認知機能の低下に繋がるとも言われています。

2.成長ホルモンの分泌(細胞の修復・アンチエイジング)

入眠直後の深いノンレム睡眠時には「成長ホルモン」が大量に分泌されます。成長ホルモンは子どもだけでなく、大人にとっても重要です。肌や髪の細胞の修復、疲労回復、免疫力の向上、脂肪の燃焼など、まさに「究極のアンチエイジングホルモン」として働きます。

3.自律神経の調整

日中に優位だった交感神経を鎮め、副交感神経を優位にすることで、ストレスで高ぶった心と体をクールダウンさせます。

4.嫌な記憶の消去と感情の整理

レム睡眠が「記憶の定着」を担う一方で、ノンレム睡眠は大脳を休ませることで「不要な記憶やストレス感情の消去」に関わっているとされています。

ぐっすり眠るために。ノンレム睡眠の質を高める5つの習慣

年齢とともに最も深いノンレム睡眠(ステージN3)は減少し、眠りは浅くなりがちです。睡眠の質を保ち、深いノンレム睡眠を確保するためには、日々の生活習慣の改善が不可欠です。

1.就寝前のアルコールとカフェインを避ける

カフェインには覚醒作用があり、アルコールは寝つきを良くするものの、睡眠の後半で交感神経を刺激し、眠りを浅くしてしまいます(中途覚醒の原因)。カフェインは夕方以降控え、アルコールは就寝の3時間前までに済ませましょう。

2.入浴はぬるめで就寝の90〜120分前に済ませる

人間は、深部体温(体の中心の温度)が下がるタイミングで強い眠気を感じます。就寝の90〜120分前に38〜40℃のぬるめのお湯に浸かり、一度体温を上げておくことで、布団に入る頃にスムーズに体温が下がり、深いノンレム睡眠に入りやすくなります。

3. 朝日を浴びて体内時計をリセットする

朝起きて太陽の光を浴びることで、体内時計がリセットされます。そして、その約14〜16時間後に睡眠ホルモンである「メラトニン」が分泌され、自然な眠気が訪れます。毎日同じ時間に起床することが、夜の質の高い睡眠に直結します。

4. ストレスを溜め込まず、リラックスする

過度なストレスや不安は交感神経を刺激し、脳を興奮状態にしてしまいます。寝る前に軽いストレッチや深呼吸(マインドフルネス)を行い、心身の緊張を解きほぐしましょう。

5. スマホのブルーライトを避ける

就寝前のスマートフォンやパソコンの強い光(ブルーライト)は、脳に「まだ昼間だ」と錯覚させ、メラトニンの分泌を阻害してしまいます。就寝1時間前には画面を見るのをやめましょう。

自分の「ノンレム睡眠」の状態を正確に知るには?

「自分はしっかり深い睡眠がとれているのだろうか?」と疑問に思う方も多いでしょう。 最近はスマートウォッチや睡眠アプリで睡眠を計測する方も増えましたが、一般的なデバイスは腕の動きや表面的な脈拍から「推測」しているため、実際の脳波や自律神経の働き、睡眠の深さを正確に把握するには限界があります。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)という隠れたリスク

特に注意すべきなのが、「睡眠時無呼吸症候群(SAS)」です。寝ている間に呼吸が止まると、脳が酸欠状態になり、強制的に交感神経が優位になって覚醒してしまいます。本人は「8時間寝た」つもりでも、実際には深いノンレム睡眠がほとんどとれておらず、日中の強い眠気や、将来の心疾患(不整脈や心不全など)の重大な引き金となります。

自律神経と心臓の動きから睡眠を可視化する「ホーム心臓ドックpro」

「朝起きても疲れが取れない」「日中のパフォーマンスが上がらない」と睡眠でお悩みの方におすすめなのが、株式会社ココロミルが提供する「ホーム心臓ドックpro」です。

これは、医療機関で使用される水準の小型ウェアラブル心電計を胸に貼り、自宅で一晩眠るだけで検査が完了する画期的なサービスで、検査できるのは以下の項目です。

自律神経の高精度な解析

心電図のデータから交感神経・副交感神経のバランスを正確に読み解き、「心疾患などの心臓リスク」をはじめ、「睡眠の質や睡眠時無呼吸症候群(SAS)」「ストレスの兆候」を客観的な数値で可視化します。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)の検知

最新のセンサーが、寝ている間の「体のわずかな動き」や「呼吸による胸のふくらみ」をキャッチし、睡眠中に息苦しさや無呼吸がないかをしっかりチェック。本人が寝ていて気付けない呼吸状態を評価します。

専門家によるサポート

取得したデータは臨床検査技師が解析し、レポートとして返却します。検査結果で気になる点があれば、そのままレポートを病院へ持っていき受診も可能。忙しい方には、自宅で診察が受けられるオンラインクリニックもご用意しています。必要があれば検査費用内で大学病院への紹介状も発行できます。

深いノンレム睡眠は、毎日のパフォーマンスと将来の健康を支える「土台」です。 まずは自分自身の睡眠と心臓の状態を「正確に見える化」し、根本的な睡眠改善の第一歩を踏み出してみませんか?

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ノンレム睡眠とレム睡眠の違いを理解して快適な睡眠ライフを

同じ睡眠でも、レム睡眠・ノンレム睡眠といった2種類の状態があり、異なる特徴を持ちます。特にレム睡眠では脳は覚醒しているため、レム睡眠の割合が増えると睡眠の質が低くなってしまいます。
日常の疲れやストレスから心身を回復させるには、レム睡眠とノンレム睡眠のサイクルが重要です。それぞれを理解し、より質の高い睡眠をとって日々を元気に過ごせるように心がけましょう。