ヘルスケアに関するコラム
2026年4月20日
心房細動とは?不整脈との違いと注意点をわかりやすく解説
「心房細動って、不整脈のこと?」
「健康診断で指摘されたけれど、どれくらい注意が必要なの?」
「動悸があるけれど、放っておいて大丈夫?」
心房細動は、不整脈の一種です。
すぐに突然死へ直結するケースは多くありませんが、脳梗塞や心不全のリスクにつながることがあるため、放置はおすすめできません。
一方で、心房細動は症状がはっきり出る人もいれば、まったく自覚症状がない人もいます。健康診断で偶然見つかることもあれば、動悸や息切れをきっかけに気づくこともあります。
この記事では、心房細動の基本から、不整脈との違い、症状、原因、検査、治療、日常生活での注意点までをまとめて解説します。
心房細動とは?不整脈の一種です
不整脈とは何か
不整脈とは、心臓の拍動リズムが乱れた状態のことです。
脈が速くなるもの、遅くなるもの、不規則になるものなど、さまざまなタイプがあります。
不整脈の中には、経過観察でよいものもありますが、治療が必要なものもあります。特に、症状が強いものや、脳梗塞・心不全などの合併症につながるものは注意が必要です。
心房細動はどんな不整脈か
心房細動は、心臓の上側にある「心房」が小刻みに震えるように動き、脈が速く・不規則になる不整脈です。
本来、心臓は規則正しい電気信号によって拍動しています。ところが心房細動では、心房で異常な電気信号が無秩序に発生し、心房がうまく収縮できなくなります。すると、脈がバラバラに感じられたり、動悸や息切れを感じたりすることがあります。
心房細動と他の不整脈との違い
「不整脈」は大きなくくりの言葉で、心房細動はその中の一つです。
たとえば、よくある不整脈には次のようなものがあります。
- 期外収縮
脈が飛んだように感じることがある不整脈 - 徐脈性不整脈
脈が遅くなるタイプ - 発作性上室性頻拍
急に脈が速くなるタイプ - 心房細動
脈が不規則になり、血栓ができやすくなるタイプ
心房細動の大きな特徴は、脈が不規則になることに加えて、心房の中で血液がよどみやすくなり、血栓ができやすいことです。この点が、脳梗塞のリスクと深く関係しています。
心房細動の主な症状
動悸・脈のばらつき
心房細動の代表的な症状は、動悸です。
「脈がバラバラする」「ドキドキする」「脈が不規則に速くなる」と感じることがあります。
ただし、動悸の感じ方には個人差があります。はっきり異常を感じる人もいれば、なんとなく胸が落ち着かない程度の人もいます。
息切れ・めまい・だるさ
心房細動では、動悸以外にも次のような症状が出ることがあります。
- 息切れ
- めまい
- 胸の不快感
- だるさ
- 疲れやすさ
「心臓の病気」とは気づきにくい症状のこともあり、疲労やストレスのせいだと思って見過ごしてしまう人も少なくありません。
無症状で見つかることもある
心房細動は、自覚症状がまったくないこともあるのが特徴です。
健康診断の心電図で偶然見つかるケースもあります。
症状がないと「様子を見ても大丈夫そう」と思いやすいですが、心房細動では症状の有無にかかわらず、脳梗塞などのリスク評価が大切です。
心房細動の原因と起こりやすい人
加齢とともに増えやすい
心房細動は、年齢が上がるほど起こりやすくなるとされています。
特に高齢者で増えやすい不整脈ですが、働き世代でも起こることはあります。
高血圧・糖尿病・心疾患などが関係する
心房細動と関係しやすい病気には、次のようなものがあります。
- 高血圧
- 糖尿病
- 心不全
- 心筋梗塞
- 心臓弁膜症
- 心筋症
- 甲状腺機能亢進症
- 慢性腎臓病
こうした病気があると、心房に負担がかかりやすくなり、心房細動が起こりやすくなることがあります。
飲酒・ストレス・睡眠不足なども誘因になる
病気だけでなく、生活習慣も心房細動のきっかけになります。
- 飲酒
- 喫煙
- ストレス
- 睡眠不足
- 過労
- 脱水
- カフェインのとりすぎ
これらは直接の原因というより、発作を起こしやすくする誘因になることがあります。
心房細動で注意したいリスク
脳梗塞のリスク
心房細動で最も注意したいのが、脳梗塞です。
心房がうまく動かないと、心房の中に血液がよどみやすくなります。すると血栓ができ、その血栓が脳の血管に飛ぶことで脳梗塞を起こすことがあります。
心房細動に関連する脳梗塞は、重い後遺症が残ることもあるため、早めにリスクを評価し、必要に応じて治療を行うことが重要です。
心不全のリスク
心房細動が続くと、心臓のポンプ機能に負担がかかり、心不全につながることがあります。
もともと心臓に病気がある人では、心房細動がきっかけで症状が悪化することもあります。息切れやむくみ、強いだるさなどが出る場合は注意が必要です。
心室細動のような突然死リスクとは少し性質が異なる
「細動」という言葉から、すぐに命に関わる不整脈をイメージする人もいます。
たしかに心室細動は突然死リスクが非常に高い不整脈ですが、心房細動はそれとは性質が異なります。
心房細動そのものが即座に突然死へつながるケースは多くありません。
ただし、だからといって安心して放置してよいわけではなく、脳梗塞や心不全の予防という意味で注意が必要です。
心房細動はどうやって検査する?
心電図
心房細動の確認には、心電図検査が基本です。
心電図で心房細動が起きているタイミングを捉えられれば、診断の大きな手がかりになります。
ホルター心電図
発作性の心房細動では、診察時には異常が出ていないこともあります。
その場合に行われることが多いのが、ホルター心電図です。
ホルター心電図では、24時間ほど心電図を連続記録し、日常生活の中で不整脈が出ていないかを確認します。
心エコー・血液検査
心房細動が見つかった場合は、心臓の構造的な異常や、背景にある病気を調べるために、次のような検査が行われることがあります。
- 心エコー検査
- 血液検査
- 胸部X線
原因や合併症リスクを確認し、治療方針を考えるために大切な検査です。
気になる症状があるときは、心電図の記録を残しておくと役立ちます
心房細動は、症状が出ているときに心電図で確認できると診断につながりやすい一方で、発作がたまにしか起こらない場合は、短時間の検査では見つからないこともあります。
そのため、
- 動悸があるのに受診時には出ていない
- 夜だけ脈の乱れを感じる
- 健診では異常なしだったが不安が残る
といった場合には、日常生活の中で心電図の記録を残しておくことが、相談材料になることがあります。
たとえばホーム心臓ドックproは、自宅で小型心電計を胸に貼り、9時間~24時間の長時間心電図を記録して、医療従事者の解析レポートを受け取れるサービスです。同時に、睡眠時無呼吸症候群(SAS)の傾向、睡眠の質、ストレスの兆候もチェックできます。
「症状が出たり出なかったりする」「まずは自分の状態を整理して受診時に役立てたい」という人にとって、安心のための選択肢になります。
ただし、胸の強い痛み、失神、強い息苦しさなどがある場合は、自宅での記録よりも先に、医療機関を受診してください。
心房細動の治療法
抗凝固薬で脳梗塞を予防する
心房細動の治療で大切なのが、脳梗塞予防です。
脳梗塞リスクが高いと判断された場合には、血液を固まりにくくする抗凝固薬が使われます。
ただし、抗凝固薬には出血のリスクもあるため、年齢や持病、これまでの病歴などをもとに、医師が必要性を判断します。
脈拍を整える薬物治療
心房細動に対する薬物治療には、大きく分けて2つの考え方があります。
- 脈を整える治療
- 速すぎる脈を抑える治療
どちらが適しているかは、症状の強さ、発作の頻度、年齢、持病などによって異なります。
カテーテルアブレーションという選択肢
心房細動では、カテーテルアブレーションが検討されることもあります。
これは、心房細動の原因となる異常な電気信号が出やすい部位を、カテーテルで焼灼して治療する方法です。すべての人に行うわけではありませんが、症状や状態によっては有力な選択肢になります。
日常生活で気を付けたいこと
飲酒・喫煙・睡眠不足・過労に注意
心房細動の発作を起こしやすくする要因として、飲酒、喫煙、睡眠不足、過労、ストレスなどがあります。
発作を減らしたい場合は、薬や治療だけでなく、こうした生活習慣の見直しも大切です。
高血圧や糖尿病など持病の管理も大切
高血圧や糖尿病、肥満などの管理が不十分だと、心房細動の悪化につながることがあります。
心房細動だけを見るのではなく、全身の健康状態を整えることが重要です。
症状がなくても放置しない
心房細動は、無症状でも進行したり、脳梗塞リスクが高まったりすることがあります。
症状がないから安心、ではなく、見つかったら一度きちんと相談することが大切です。
こんなときは早めに受診を
次のような場合は、早めに循環器内科などの医療機関を受診しましょう。
- 動悸や脈の乱れが続く
- 息切れやめまいがある
- 失神した、意識が遠のく感じがある
- 健康診断で心房細動や不整脈を指摘された
- スマートウォッチなどで不規則脈通知が出た
- これまでに脳梗塞や心不全を指摘されたことがある
また、「症状はあるけれど毎日ではない」「受診時にうまく説明できるか不安」という人は、受診前に心電図の記録を残しておくと役立つことがあります。
ホーム心臓ドックproは、自宅で完結できる長時間心電図記録と専門家によるレポートを通じて、こうした“受診までのつなぎ”や“相談材料づくり”に活用しやすい設計になっています。加えて、不整脈だけでなく睡眠の質・ストレス・SASもまとめて見える化できるため、「脈の乱れ以外にも疲れやすさや睡眠の質が気になる」という人にも相性があります。
関連記事
不整脈(心房細動)による脳梗塞とは?原因・症状・予防を解説|気を付けないと寝たきりの原因に
不整脈で息苦しいのは危険?見逃せない症状とタイプ別リスク!心房細動・心室性期外収縮もチェック
まとめ|心房細動は「よくある不整脈」でも放置しないことが大切
心房細動は、不整脈の中でも比較的よくみられる病気です。
すぐに突然死へ直結することは多くありませんが、脳梗塞や心不全のリスクがあるため、軽く考えずに向き合うことが大切です。
参考文献
- 国立循環器病研究センター「心房細動について」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/cvs/hcs/af
- 国立循環器病研究センター「AF(心房細動)外来」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/af
- 国立循環器病研究センター「7日間の心電図検査で“見逃されていた心房細動”が見つかる」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/topics/topics_36979
- 公益財団法人 日本心臓財団「心房細動、心房粗動」
https://www.jhf.or.jp/check/opinion/category/c1-3
- 公益財団法人 日本心臓財団「心房細動(用語集)」
https://www.jhf.or.jp/check/term/word_s/atrial_fibrillation
- 公益財団法人 日本心臓財団「脈を測って心房細動を早期発見」
https://www.jhf.or.jp/ez-do-kenmyaku
本記事の医療情報の作成・確認体制
本記事は、心疾患・循環器領域の医療機器メーカーである株式会社ココロミルが運営しています。
内容は、社内の編集チームが作成し、公開前に薬事・品質管理チームが確認しています。
内容確認:株式会社ココロミル 薬事・品質管理チーム
- 薬機法担当/医療機器最高技術責任者(CTO)
総括製造販売責任者・安全管理責任者・管理責任者:岡庭 貴志 - 製造販売業管理監督者:林 大貴
- 国内品質業務運営責任者:深澤 悠祐
- 製造業責任技術者:塩見 百合恵
薬機法・医療広告ガイドラインに配慮し、誤解を招く表現がないようチェックを行っています。
参考にしている主な情報源
本記事の内容は、次のような信頼できる情報を参考にしています。
- 厚生労働省など行政機関の資料・統計・ガイドライン
- 日本循環器学会などの学会が公表する診療ガイドライン・声明
- ピアレビューを経た医学・科学論文
- 大学・公的研究機関の研究成果 など
必要に応じて内容を見直し、重要な更新があれば記事を改訂します。
情報のご利用にあたって
本記事は、心疾患・循環器疾患などに関する一般的な情報提供・啓発を目的としており、
特定の方の診断や治療方針の決定、医療行為の代わりにはなりません。
胸の症状や動悸、不整脈を指摘されたことがある方、体調に不安のある方は、
この記事だけで判断せず、必ず医師・医療機関にご相談ください。
本記事をもとに、自己判断で受診を控えたり、治療・服薬を中止・変更することはお控えください。

