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ヘルスケアに関するコラム

2024年2月1日

運動時に心拍数を測ったほうがいい?運動強度と心拍数の関係

監修:循環器専門医師 磯谷善隆先生

 

ランニングやサイクリングなど、運動中に心拍数を気にしたことはありますか?
心臓が1分間にどれだけ頑張って血液を送り出すかを示す心拍数は、あなたの健康状態や、運動の強度を知る鍵となります。
心拍数や運動強度について知り、日々の運動をより効果的なものにしましょう。

 

 

 

 

心臓は血液を通して全身に酸素や栄養を送り出している臓器で、この動きは心臓内に弱い電流が流れることでコントロールされています。
心臓が血液を送り出すときの拍動する回数のことを心拍数と言い、通常は1分間の回数を指します。健康な成人の安静時の心拍数は、1分間に60~100回程度です。

 

心臓は全身へ血液を送るために休みなく活動していますが、体調や運動強度によって様々な変化を起こします。そのため普段から心拍数をチェックすることで、自分の体調を知ったり運動の強度を調節したりすることができます。
体調不良や疲れているとき、寝起きなどは心拍数が高くなる傾向があります。

 

 

運動時、心拍数は増加します。運動の負荷やきつさを表す運動強度は、心拍数を用いて表すことができます。
運動中の効果的な心拍数は、運動の目的によって異なり、最大心拍数に対する割合が目安となります。

 

 

最大心拍数は年齢によって異なり、以下の計算式で求めることができます。

40歳の場合は、220-40=180で最大心拍数は180となります。
最大心拍数の60~70%を目指す場合、180×0.6~0.7=108~126なので、心拍数を108~126の間に保つと良いでしょう。

 

 

目的や体調に合った運動強度を設定することは、安全に運動の効果を得るために重要です。
運動による心拍数の上昇の程度は人によって異なり、体力が低い人は低強度の運動でも心拍数がすぐに上がってしまいます。
そのため、取り組んでいる運動が目的通りの強度になっているかを確認するために、運動中に心拍数を測定することがおすすめです。

 

また、急激な心拍数の上昇や、強すぎる強度の運動は、体に負担がかかり危険です。
運動前にはウォーミングアップを行い、運動中も過負荷になっていないかを確認するようにしましょう。

 

 

心拍数を測るには、心拍計を用いましょう。
スマートウォッチなどのウェアラブルタイプも多く発売されています。

 

 

運動中のみに使う場合は、運動中に邪魔にならないデザインのもので、機能も最低限でいいでしょう。
日常的に使用する場合は、スマートフォンとの連動やアラーム、睡眠の計測など様々な機能があるので、自分に必要な機能が搭載されているかを確認しましょう。またファッションに馴染むかどうかなどのデザイン性も重要になります。

ジムなどのランニングマシンやエアロバイクでは、心拍測定機能がついているものもあるので、ジムで運動をする場合はそういった機器を使うのもおすすめです。

自分の心拍数を把握することは、運動強度を知るだけでなく、体調不良などのコンディションを知るためにも有効です。自分の心拍数を知り、日々を健康に過ごしましょう。