Column
ヘルスケアに関するコラム
2024年2月20日
ストレスで不眠に?睡眠とストレスの重要な関係
監修:マインドフルネス講師 関根朝之
ストレスや不安なことがあるときは、なかなか眠れないことはありませんか?
実は睡眠とストレスは密接に関係していて、どちらかが悪くなることで悪循環が続いてしまうことがあります。
現代はストレス社会とも言われており、特に20~50代のいわゆる働き盛りの世代の人の50%がストレスを感じていると言われています。
そして日本では、睡眠不足も問題となっています。
理想の睡眠時間は個人差がありますが6~8時間と言われていますが、経済協力開発機構(OECD)の調査で日本は先進国の中で睡眠時間が最も少ないという結果が出ており、日本人の睡眠不足は深刻です。
ストレスと睡眠の関係を知り、ストレスに負けない日々を目指しましょう。
睡眠不足になるとどうなる?
わたしたちは人生の3分の1に近い時間を寝て過ごします。
睡眠は体の疲れをとるとともに、脳を休ませて記憶の整理をしたり、日中に見たことや学んだことを定着させる役割があります。
睡眠が不足すると疲れがとれなかったり、注意力の低下、記憶や学習力の低下、免疫力の低下などに繋がり、仕事や勉強のパフォーマンスが下がる可能性があるため、注意が必要です。
ストレスと睡眠の関係
ストレスは睡眠に深刻な影響を与えることがあります。
睡眠に関係する「自律神経」には交感神経と副交感神経があり、互いに相反する役割を担っています。交感神経は主に活動時に優位になるもので、心拍数を上げたり、血圧を上昇させたりして身体を活動的な状態にします。
一方副交感神経は心身を休ませるときに優位になります。心拍数や血圧は落ち着き、全身の活動性を下げ回復や修復に導きます。
通常眠っている間はこの副交感神経が優位になり、リラックスしてしっかりと眠ることができます。
しかしストレスや心配事が増えると、自律神経が乱れます。また寝る直前まで心配事やストレスの原因について考えていることで交感神経が優位になってしまうことがあります。
そうなると睡眠中リラックスできず、眠りが浅い状態が続き、睡眠不足に陥ってしまうことがあります。
また、ストレスを感じるとストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」が分泌されます。コルチゾールは一時的なストレスから身を守るホルモンで、体内時計や睡眠のリズムを調整しています。しかしストレス過多になるとコルチゾールの分泌も過剰になり、体内時計や睡眠のリズムが乱れてしまうことがあるのです。
つまり、睡眠不足とストレスはお互いに影響しあい、悪循環に繋がっているのです。
健やかな睡眠のための工夫
毎日を健やかに過ごすために、ストレスを溜め込まず、質の高い睡眠をとる必要があります。
規則正しい生活をする
体の中には体内時計があり、睡眠に備えてホルモンの分泌や生理的な活動を調整しています。この体内時計を整えることが快適な睡眠のために重要です。
そのため、毎日同じ時間に就寝・起床し、規則正しい生活を心がけましょう。睡眠不足解消のために休日に多く寝たい場合は、早めに寝るほうが効果的です。
睡眠環境を整える
枕やベッドなどの寝具は自分に合ったものを選び、体の負担を少なくしましょう。また温度や湿度も重要です。寝床内の温度が33℃、湿度は50%を目安にエアコンや暖房器具を用いて調整するようにしましょう。
就寝前のリラックス
パソコンやスマホは寝る1時間前までにして、脳への刺激を少なくしましょう。また、ストレッチをしたりアロマを焚いたり、自分なりのリラックス方法を見つけておきましょう。
適度な運動をする
日中に体を動かし適度な疲労を感じることで、睡眠の質が高まります。1回の運動ではなく、適度な運動を習慣的に取り入れることがおすすめです。
ただし、眠る2~4時間前の激しい運動はかえって覚醒してしまうので、控えましょう。
夕方から就寝の3時間前くらいまでの間に、ウォーキングやジョギングなどの有酸素運動に取り組むことがおすすめです。
マインドフルネス呼吸法を取り入れる
マインドフルネスとは、過去の経験や先入観にとらわれず、今この瞬間に集中している心の状態のことです。
深い呼吸はリラックスに最適です。マインドフルネス呼吸を実践することで、リラックスし、質の高い睡眠に繋がります。
【すぐできるマインドフルネス呼吸法】
寝床で横になり、体の力を抜く。目は閉じましょう。
ゆっくりと呼吸を行う。4秒で息を吸い、8秒で息を吐きます。
自分の呼吸に意識を向け、吸った空気が全身に流れていくことをイメージしてください。
4回ほど呼吸を繰り返しましょう。
ストレス過多と睡眠不足は悪循環に繋がってしまいます。
リラックスできる習慣を取り入れ、しっかりと睡眠をとり、心身ともに健やかに過ごすことを目指しましょう。