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ヘルスケアに関するコラム

2024年7月24日

夏は心臓に負担がかかりやすい!猛暑の中でも健康に過ごすためのポイント

監修:循環器専門医師 磯谷善隆先生

 

 

梅雨も明け、暑さが本格化する時期になりました。猛暑日と言われ、熱中症警戒アラートが発表される日も増えています。

夏は高温多湿な環境が続き、心臓にかかる負担が増える季節です。特に心臓病を抱える方や高齢者は、暑さによる健康リスクが高まります。この記事では、夏に心臓病のリスクが高まる理由と、その予防策について詳しく解説します。

 

 

  • 脱水症状
    暑さによる発汗で体内の水分が失われやすくなります。脱水症状が進むと、血液が濃縮されてドロドロになり、血栓ができやすくなります。これは心筋梗塞や脳梗塞に繋がることがあるため、危険です。

 

  • 電解質バランスの乱れ
    汗とともにナトリウムやカリウムなどの電解質も失われるため、体内の電解質バランスが崩れます。これが不整脈を引き起こすことがあります。

 

 

 

では、リスクを減らすためにどのような対策をすればよいのでしょうか?

 

  • 適切な水分補給
    汗をかいていなくても、室内でも、定期的に水分を補給することが重要です。少量ずつこまめに飲むよう心がけましょう。たくさん汗をかいたときは、スポーツドリンクなどで電解質も一緒に補給すると良いでしょう。また、カフェインやアルコールは利尿作用があるため、水分補給にはならないので注意してください。

 

  • 適切な温度管理
    エアコンや扇風機を利用して室内の温度を適切に保ちましょう。除湿機を使って、湿度を適切に管理することも重要です。
    外出する際は、涼しい時間帯を選び、直射日光を避けるようにしてください。また、外出時には帽子や日傘を利用し、体を冷やす工夫をしましょう。

 

  • バランスの取れた食事
    夏場はさっぱりとした食事が食べたくなりますが、体力を保つためにも栄養バランスを考えた食事を心がけましょう。実は、私たちは食べ物(固形物)から日々1Lもの水分を摂取していると言われています。脱水を防ぐためにも、栄養バランスの良い食事を心がけて。

 

  • 定期的な運動
    適度な運動は健康を維持するために欠かせませんが、暑い季節には運動のタイミングと場所に注意が必要です。早朝や夕方の涼しい時間帯に運動するか、エアコンの効いた室内で運動するようにしましょう。無理は避け、ウォーキングやストレッチなど取り入れやすい運動から取り組むのがおすすめです。

 

  • ストレス管理
    ストレスは心臓病のリスクを高める要因の一つです。暑さによる疲れやすさもストレスの一因となるため、暑さ対策を心がけてください。また、趣味の時間やゆっくり休む時間などを日常に取り入れ、ストレスを溜め込まない工夫をしましょう。

 

 

 

また、普段から不整脈や心電図異常を指摘されている方や、心臓の病気がある方は、特に次のことに気をつけてください。

 

  • 定期的な健康チェック
    定期的に医師の診察を受け、適切な治療と指導を受けることが重要です。特に夏場は脱水や熱中症に気をつけ、異常を感じたらすぐに医師に相談しましょう。脱水予防のため塩分の摂取が重要ですが、高血圧や心不全により塩分を制限している場合は、夏場の食事や塩分・水分の摂取についても医師に相談しておきましょう。

 

  • 体調管理を行う
    夏の暑さの中で無理をして活動すると、心臓に過度な負担をかけることがあります。できるだけ炎天下での長時間の活動は控え、体調が優れない時や暑さが厳しい時には、無理のない範囲で行動するよう心がけましょう。

 

 

夏の高温多湿な環境は、心臓にとって大きな負担となることがあります。しかし、適切な予防策を講じることで、心臓病のリスクを減らし、健康を維持することが可能です。健康に気をつけて、元気に夏を乗り切りましょう。