Column
ヘルスケアに関するコラム
2025年10月15日
あまり眠れなかった…睡眠不足の日を乗り切る5つの方法【即効性重視】時間帯別の対処法も
監修:マインドフルネス講師 関根朝之
睡眠は大切だと、多くの人は理解しています。しかし、つい夜更かししてしまったり、布団に入っても寝付けなかったり、現代人の多くが不眠や睡眠不足に悩んでいます。
「ほとんど眠れないまま朝になってしまった…。」
本記事では、そんな日に今すぐできる今日1日乗り切る方法と、今夜しっかり眠るための実践ガイドをお届けします。
睡眠に悩む方が避けるべきNG行動、気を付けたい食事・栄養、仮眠のコツ、そして眠れない日が続く場合の受診目安までまとめています。今日から実践して、明日から快適な日々を過ごしましょう。
今すぐできる!睡眠不足の日を乗り切る5つのワザ【即効性重視】
まずは勉強や仕事中の救世主!“今すぐ”効きやすい対策を「5つ」だけ、実行ステップつきでご紹介します。
①常温の水分(300ml)でリセット
今すぐ常温水をコップ一杯飲みましょう。軽い脱水は眠気のリスクにも。
水の用意のために席を立って動く=軽い運動も兼ねるので効果が期待できます。
②90秒スイッチ運動
その場で「かかと上げ×20回」→「腕を大きく回す×10回」→「早歩き30〜60秒」
全身の血流と交感神経が上がり、数分間は覚醒度が持続します。席を立って外気を浴びられるなら、外に出てやるのもおすすめ。
③強い光+遠く見る(20-20-20応用)
窓辺や明るい場所に移動して20秒、6m以上先を凝視。目の調節疲労をリセットし、自然光で体内時計にも刺激が与えられます。
午後の明るい光(~1200ルクス, 6500K)は、通常のオフィス光より主観的・客観的な覚醒度を高めうることが示されています。(参照:研究文献)
④“噛む”で脳を刺激
ガムやするめ、昆布などの「噛むもの」も目覚ましにおすすめです。咀嚼は脳を刺激します。ミントのガムなどであればすっきりとして、覚醒効果も期待できますし、するめや昆布などの噛み応えのある食品は、三叉神経を介して脳に刺激を伝えます。
⑤カフェインを“少量・戦略的”に
コーヒー半杯 or 緑茶1杯(カフェイン約30〜60mg)を取り入れてみましょう。
15分だけでも目を閉じられるなら“カフェイン仮眠”(飲んですぐ10–15分目を閉じる)も即効性があります。
カフェインの摂取が心配な方へ。カフェインで眠気がおさまる仕組みをやさしく解説
「カフェインの摂りすぎが心配」
「 夜ねむれなくならない?」
カフェインが、ちょっと心配という方もいると思います。でも、仕組みがわかれば、量やタイミングのコツも見えてきます。ここではカフェインの働きについてやさしく解説します。
カフェインはアデノシンと似ている
私たちの体は起きて活動しているあいだ、脳でアデノシンという物質が少しずつたまっていきます。アデノシンが脳の受容体(A1・A2Aなど)に結合すると、神経の働きが抑えられ、副交感神経が優位になってゆるみます。結果として体はリラックスモードに切り替わり、眠気を感じやすくなります。
カフェインは、このアデノシンと形がよく似ており、飲むと先に受容体に座席取りして、アデノシンを押しのけます。
その結果、「休め」の合図が弱まるので、心拍は下がりにくく、脳は覚醒方向に傾きます。さらにドーパミンなどの神経伝達が少し高まり、集中しやすく感じます。
カフェインの使い方のコツ(失敗しないために)
厚生労働省によると、1日のカフェイン摂取量は、健康な成人で400 mg(コーヒーをマグカップで約3杯)まで、妊婦や授乳中、あるいは妊娠を予定している女性は300mg(コーヒーをマグカップで約2杯)までとされています。
【量】コーヒーならカップ半分〜1杯(カフェイン約50〜100mg)でまずは様子見がおすすめです。
ただし、インスタント、ドリップ、エスプレッソなど抽出方法やコーヒー豆の種類、濃度によって量は変動するので、パッケージなどでカフェイン量は確認を。
【摂取する時間】効き始めは15–30分、効果は数時間続くので、夜の睡眠のためには夕方以降は控える。
【注意すること】 飲みすぎは動悸・不安・胃もたれ、夜の睡眠の質低下につながることも。習慣的に多量だと効きが鈍くなる(耐性あり)。
根本対策として、眠気の本丸は睡眠不足です。カフェインはあくまで一時しのぎということを忘れずに。
眠れなかった朝“すぐに”整える:朝〜午前にやるべき4つのこと
午前中にやることは、体内時計の再同期と覚醒の立ち上げです。
①朝日を浴びる
あまり眠れなかったときでも、朝起きたらまずはカーテンを開けて日光を浴びましょう。太陽の光は体内時計をリセットしてくれることがわかっています。
朝日を浴びることで体内時計がリセットされ、眠気ホルモン“メラトニン”の分泌リズムが整います。5〜20分程度、ベランダや窓際で光を感じるだけでも効果があります。
②水分補給と朝食でスイッチを入れる
朝食をとることでも体内時計を整えることができます。朝食にはエネルギーのもとになるもの、栄養の豊富なものを選びましょう。 おすすめは以下の組み合わせ。
炭水化物+たんぱく質+ビタミンB群
★例:ご飯+味噌汁+卵/ヨーグルト+果物+全粒パン
パンだけ、おにぎりだけ、などの偏りをなるべく避け、ビタミンやミネラルを含む果物や野菜、タンパク質を含む卵や乳製品などをバランスよく食べるのがおすすめです。
また、睡眠不足は食欲のコントロールに関わるホルモンに影響を与え、いつもよりもお腹が空くなどカロリーを摂りすぎる原因になります。高カロリーや高脂肪のものが食べたくなりますが、摂りすぎないよう注意しましょう。
③カフェインは午前中に適量
コーヒーや緑茶のカフェインは眠気覚ましに有効ですが、摂りすぎると心拍数増加や脱水を起こすことも。
できれば午前中に2〜3杯を目安にし、午後は控えましょう。午後遅い時間の摂取は、夜の睡眠を妨げる原因になります。
④危険作業は慎重に
眠れない翌日は判断力が低下します。
車の運転や高所作業などはできるだけ避け、同僚や家族に頼るなど安全第一を意識してください。
眠気の波を乗り切る:午後にできる4つのこと
①仮眠は15〜20分、15時までに
眠気のピークを乗り越えるには、短時間の仮眠が最も効果的です。
深く寝てしまわないよう、椅子やソファなどで明るめの環境がおすすめ。
仮眠前にコーヒーを飲むと、目覚める頃にカフェインが効き始め、すっきり起きられます。
②軽い運動で脳に酸素を
デスクワークの合間に背伸び・肩回し・立ち歩きを。5分のストレッチでも血流が促され、眠気が軽減します。
時間があれば、昼休みに短い散歩を取り入れるのも効果的です。
③脳への刺激を増やす
会話やタスクの切り替えも眠気覚ましに有効です。
単調な作業が続くと眠気が強まるので、人と話す/メールを書く/別のタスクに移るなど、刺激を与えましょう。
④仕事量を調整する
寝不足の状態では集中力や記憶力が落ちています。
重要な会議やクリエイティブな作業は、翌日以降に回す勇気も大切です。
今日は“安全・確実”を優先しましょう。
夜の回復期:快眠のための5つのルーティン
①就寝90〜120分前にぬるめのお風呂
38〜40℃のぬるめのお湯に15分ほど浸かると、体の深部体温が一時的に上がり、その後下がるタイミングで自然な眠気が訪れます。シャワーでは体が温まりにくいため、できるだけ湯船につかりましょう。
湯舟につかることは、健康面でもメリットがあります。詳しくは以下の記事でご紹介していますので合わせてお読みください。
お風呂で「シャワーだけの人」と「湯船につかる人」、心疾患リスクが高いのはどっち?
②スマホ・PCは寝る1時間前にオフ
ブルーライトはメラトニン分泌を抑制します。寝る1時間前にはデジタル機器を手放し、照明を落として“眠る準備”を始める時間をつくりましょう。
③リラックス法を取り入れる
深呼吸、軽いストレッチ、アロマ(ラベンダー、白檀など)など、自分に合う方法で副交感神経を優位に。
「今日もよく頑張った」と自分をいたわる時間が、質の良い眠りを呼び込みます。
④寝室環境を整える
以下の室内環境が快眠に有効と言われています。
- 室温:夏は26℃前後、冬は18〜20℃程度
- 湿度:40〜60%をキープ
- 光:真っ暗、またはアイマスクを活用
- 音:静かで落ち着いた環境に
寝具も柔らかすぎず、自分の体格に合ったものを選びましょう。
⑤食事と飲酒は寝る2〜3時間前までに
寝酒は入眠を促しても、数時間後に目が覚めやすくなります。
また、消化活動が続くと体温が下がらず、眠りが浅くなります。
空腹が気になる場合は、温かいスープや糖質控えめの軽食で済ませましょう。
不眠が続くときは医療機関へ
「眠れないまま朝になる」状態が週3回以上、1か月以上続く場合は、不眠症の可能性があります。主なタイプは以下の通りです。
●入眠障害:寝つきが悪い
●中途覚醒:夜中に何度も目が覚める
●早朝覚醒:予定より早く目が覚める
●熟眠障害:眠っても疲れが取れない
また、強い日中の眠気やいびき、無呼吸がある場合は睡眠時無呼吸症候群の疑いも。心療内科・睡眠外来・耳鼻科などで相談しましょう。
睡眠障害(不眠症)とその特徴については以下の記事でも詳しく説明しています。
ストレスで眠れない?悪循環を断ち切る方法と快眠習慣!2025年最新の睡眠の質チェックデバイスも
自宅で睡眠の状態を可視化する方法
「自分の睡眠の質は大丈夫なのか気になるけど、どうチェックしたらいいのかわからない…。」
そんな方におすすめなのが、次に紹介するココロミルの「ホーム心臓ドックPro」。
睡眠不足やストレスを放置すると、心臓病・脳卒中・うつ病などのリスクに繋がることがあります。
「ホーム心臓ドックPro」は、胸に小型心電図を貼って寝るだけで、
●不整脈
●睡眠時無呼吸症候群(SAS)や睡眠の質
●ストレス兆候
などを医療機関レベルで測定・分析できます。
眠れない日が続く方、自分の睡眠の質を知りたい方は、ぜひ一度チェックしてみてください。
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ココロミルの「ホーム心臓ドックpro」とは?
ココロミルでは、医療機関でも使っている高精度なウェアラブル心電計を使って皆さんの不整脈、睡眠時無呼吸症候群 (SAS)、睡眠の質、ストレスの兆候を検出するサービスを提供しています。
「夜、しっかり眠れない」
「昼間でも眠たい」
このような何気ない睡眠の悩みはあっても、病院に行くほどのことだとは思わない方は多いのではないでしょうか。
一方で、知らず知らずのうちに強いストレスを受けていないか?昼間に眠くなるのは何か病気の兆候ではないか? など心配になる方もいらっしゃるでしょう。私たちのサービス「ホーム心臓ドックPro」は、「不整脈」をはじめ「睡眠の質」や「ストレスの兆候」を医療機関に行かずに知ることができます。
使い方は、胸に小型の心電図を貼って寝るだけ。 寝ている間に検査が完了し、放置すると突然死をはじめ脳梗塞やうつなどの疾患を引き起こす可能性のある症状を、高精度なウェアラブル心電計を使って見つけ出してくれます。
「ホーム心臓ドックpro」で検出できる症状は、以下のようなリスクにつながります。
(1)不整脈のリスク
脳梗塞 / 心不全 / 認知症などのリスクに繋がります。
(2)睡眠障害(睡眠の質・睡眠時無呼吸症候群)のリスク
脳卒中 / 心不全 / 生活習慣病などのリスクに繋がります。
(3)ストレスのリスク
うつ / 休職・退職 / 適用障害などのリスクに繋がります。
特に、睡眠不足やストレスは、「現代人にはしょうがないこと」「疲れのせい」と軽視しがち。 しかし、知らず知らずのうちにおそろしい健康リスクにつながっているかもしれないのです。
睡眠を含めた自分の健康状態を知ることは、とても大切です。 睡眠のお悩みをお持ちの方、自分の健康状態を自宅で手軽に知りたいという方はぜひ一度お試しください。
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睡眠不足の大敵!これだけはやってはいけないNG行動リスト
上記で時間帯別の対処法をご紹介しましたが、「忙しいのに、そんなに細かく気をつけていられない!」という方向けに、「最低限これだけは注意したい・NG行動リスト」もご用意しました。
まずはここから始めてみましょう。
①カフェインの過剰摂取
眠気を覚ます方法として、コーヒーやエナジードリンクなどのカフェインの摂取があげられますが、過剰摂取は禁物です。
カフェインを摂りすぎると、利尿作用により水分不足になってしまい、集中力が低下することがあります。水分摂取を忘れないようにしましょう。
また、午後の遅い時間のカフェインは控えましょう。その日の夜の睡眠にも影響してしまいます。
②長時間の昼寝
短時間の仮眠は、眠気を解消して集中力を高めるのに効果的ですが、昼寝をしすぎるとその日の夜に眠れなくなってしまいます。
仮眠は長くても30分以内に。30分以上眠ると深い睡眠に入り、夜眠れなくなることがあります。
また、16時以降に昼寝をすると体内時計がずれてしまう原因にもなるため、午後15時くらいまでにするようにしましょう。
③「早く寝なきゃ」と焦ること
「眠らなきゃいけない」と焦ると、脳が興奮して交感神経が活発になり、さらに眠れなくなるという悪循環に陥ります。
眠れないときは一度ベッドから出て、静かに深呼吸をしたり、軽くストレッチをするなどしてリラックスしましょう。
「今は体を休めているだけでいい」と考えるだけでも、気持ちが落ち着いて眠りやすくなります。
④ 寝る前のスマホ・テレビの使用
寝る直前までスマホやテレビを見ると、ブルーライトや情報刺激で脳が覚醒してしまいます。
特にSNSや動画視聴は感情を刺激しやすく、眠気を遠ざけます。
寝る1時間前にはデジタル機器を手放し、照明を落として心を静める時間をつくるようにしましょう。
どうしても触りたいときは、ナイトモードや読書アプリなど光量を抑えた設定に。
⑤ 寝酒・喫煙
お酒を飲むと一時的に眠くなることがありますが、実はアルコールは睡眠の質を下げる原因になります。寝つきは良くても、夜中に目が覚めやすくなり、朝のだるさや頭痛を引き起こすことがあります。
また、タバコに含まれるニコチンには覚醒作用があり、寝る前の喫煙は逆効果です。「寝酒」「寝る前の一服」は避け、リラックスしたいときは温かいハーブティーなどを試してみましょう。
⑥ 寝室の暖めすぎ・靴下の締め付け
「冷えると眠れない」と思い、寝室を暖めすぎたり厚着をしたりしていませんか?
体を温めすぎると深部体温が下がりにくくなり、眠りが浅くなることがあります。特に締め付けの強い靴下を履いて寝ると血流が滞り、逆に足が冷えてしまうことも。足の冷えが気になる場合は、ゆるめのレッグウォーマーやタオル湯たんぽを使うのがおすすめです。
室温は冬は18〜20℃、夏は26℃前後を目安に、快適な温度を保ちましょう。 生活習慣を改善してもしっかりと眠れない日が長く続く場合は、不眠症の可能性もあります。早めに医療機関を受診するようにしてください。
また、質の良い睡眠がとれるよう日頃から生活習慣を整えることも重要です。
睡眠の質をあげるための習慣は、以下の記事で紹介していますので参考にしてみてください。
たっぷり寝るだけじゃダメ?【 質の高い睡眠 】のための効果的な方法10選
睡眠を整える食事と栄養
では、次に食事で改善できる睡眠不足についてご紹介します。
①トリプトファンで「眠りの材料」を補う
トリプトファンは、体内で合成できない必須アミノ酸の一つで、 精神を安定させる「セロトニン」や、睡眠を促す「メラトニン」の原料となります。
不眠の改善、PMSや更年期障害の緩和、集中力・意欲の向上など、幅広い効果が期待され、卵、魚、大豆製品、ナッツ、バナナなどに多く含まれます。
ビタミンB6(まぐろ、にんにくなど)や炭水化物と一緒に摂ると効果的です。
②グリシンで体をクールダウン
グリシンは、体内で合成できる非必須アミノ酸の一種で、体や脳の働きをサポートする多彩な役割を持っています。
深部体温を下げて自然な眠気を促す作用があることから、快眠をサポートする成分として注目されています。 また、グリシンは神経の興奮を抑える抑制性神経伝達物質としても働き、リラックス効果や安眠効果、疲労回復や美肌づくりにも関係しています。
ホタテやカジキ、エビなどに含まれますが、サプリやドリンクでの摂取も手軽です。
③規則正しい3食が基本
朝・昼・夜の食事リズムが体内時計の安定につながります。
寝不足の日ほど、血糖値が乱れやすいため夜遅い間食は控えめに。
睡眠不足を乗り切ろう!今日を安全に、今夜をラクに、明日を整える
眠れない夜は誰にでもあります。 しかし、仕事や育児など日中の過ごし方や仕事でのパフォーマンスに影響してしまうと、1日を後悔することになりますよね。
焦らず、朝に光を浴び・昼に少し休み・夜に整える——このリズムを意識するだけで、翌日の睡眠の質は変わります。
眠れない日が続くときは一人で抱え込まず、ホーム心臓ドックproで検査をしたり、時間があれば専門家へ相談を。
睡眠を取り戻すことは、心と体をリセットする一番の近道です。
あなたの眠れない原因はどこにある?
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