Column

ヘルスケアに関するコラム

2023年9月25日

心電図検査 ってどんな検査?異常があったらどうすればいい?

監修:循環器専門医師 磯谷善隆先生

 

 

健康診断の検査項目でもある心電図検査。毎年受けている方も多いのではないでしょうか。
心電図検査 は、心臓の電気的な活動を調べる検査です。
心臓はポンプのように全身に血液を送り出していて、その際に微弱な電気信号を発生させます。この電気信号を波形として記録するのが心電図検査です。
もしも心電図検査で異常があると言われたら、早めに再検査を受けることをおすすめします。

 

心電図検査の種類


心電図検査にはさまざまな種類がありますが、一般的に健康診断などでもよく行われるのが「安静時心電図」です。ベッドに仰向けになった状態で胸と両手足に電極をつけ、12の波形を記録し、正常な波形と比較して診断します。12誘導心電図検査とも呼ばれ、5分ほどで終わります。

他に負荷心電図、ホルター心電図と呼ばれるものもあります。
負荷心電図では、運動により心臓に負荷を与えて、心電図の検査を行います。運動時にのみ症状が現れる病気があるため、その検査に用います。
ホルター心電図は、胸に電極のシールを貼り付けて、小型の心電計を用いて行います。24時間の検査ができるため、日常生活で起こる不整脈を見つけることができるほか、どのような状況で不整脈が出るのかの原因を探ることができます。

 

心電図検査でわかること


安静時心電図では、波形の乱れなどから不整脈、心肥大、心筋梗塞などを見つけることができます。
負荷心電図は、激しい運動時に起こる狭心症などの検査に適しています。
ホルター心電図は短時間の計測では発見できない不整脈や虚血性の心疾患の発見に適しています。また、人工ペースメーカーの機能判定に用いられることもあります。

 

心電図検査でわかる病気

 

①不整脈

不整脈は、心臓の電気信号の異常によって起こり、鼓動が早くなったり遅くなったり、乱れたりする状態です。
原因はさまざまですが、動悸や息切れ、胸痛などの自覚症状がある場合もあれば、自覚症状が全くない場合もあります。失神や心不全、最悪の場合は突然死に至るものもあります。
不整脈について、詳しくはこちらの記事で解説しています。

 

②狭心症

狭心症とは、心臓に酸素を送る冠動脈が狭くなり、心臓の筋肉に十分な酸素が行き届かなくなる病気です。胸の痛みや圧迫感が数分~15分ほど続き、その後消失します。
狭心症には、力仕事や運動をしたとき、ストレスを受けたときに起こる「労作性狭心症」、痛みが強くなったり発作の回数が増えたりなど痛みや圧迫感のパターンが安定しない「不安定狭心症」、就寝時や安静にしているときに胸が苦しくなる「異型狭心症」の3種類があります。

 

心筋梗塞

心筋梗塞は、心臓の筋肉に血液が届かなくなることで激しい胸の痛みが起こる病気です。
狭心症との違いは、狭心症では冠動脈が狭くなっているものの少しは血液が届いているのに対し、心筋梗塞は冠動脈が完全に塞がってしまった状態であることです。
心筋梗塞の場合は胸の痛みが30分以上続き、安静にしていても治まりません。血液がまったく届かない状態が続くと、心筋が壊死してしまうため、迅速な治療が必要です。

 

心電図で異常が見つかったらどうすればいい?


心電図で異常があったからといって、必ず心臓に異常が見つかるというわけではありませんが、心臓の病気は命にかかわることがあります。異常を指摘された場合は、特に自覚症状がなくても早めに精密検査を受けてください。
受診する際は、循環器内科のある医療機関に相談しましょう。
もし病気が見つかっても、早く治療を開始することで重症化を防ぐことができます。病気の予防や早期発見のためにも、定期的に健康診断を受けることが大切です。