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ヘルスケアに関するコラム

2026年7月27日

心臓がドクンとする原因は?一瞬だけ・何度も繰り返す場合の危険性と受診目安

「心臓が突然ドクンと大きく打った」
「一瞬、脈が飛んだように感じた」
「寝る前になると、胸の中でドクンとする」

心臓の拍動をいつもより強く感じると、「何か危険な病気ではないか」と不安になるものです。

心臓が一瞬ドクンとする原因としてよくみられるのが、不整脈の一種である「期外収縮」です。期外収縮の多くは健康な人にも起こり、問題のないケースがほとんどです。

ただし、「ドクン」という感じ方だけで、期外収縮と断定することはできません。

脈が極端に速くなる不整脈、脈が遅くなる不整脈、心房細動、心臓病などでも、似た感覚が現れることがあります。

この記事では、心臓がドクンとする仕組み、考えられる原因、危険な症状、受診の目安、自分で確認しておきたいこと、心電図検査について解説します。

結論|一瞬の「ドクン」は期外収縮が多いものの、症状だけでは判断できない

※「幅の広いQRS」であっても、手前に早いP波があれば心室性ではなく「上室性(変行伝導)」に分類されるケースがあります

心臓が一瞬ドクンとする症状は、予定より早いタイミングで心臓が収縮する「期外収縮」によって起きている可能性があります。

日本循環器学会は、期外収縮について、次のような症状が現れると説明しています。

  • 脈が飛んだように感じる
  • 一瞬だけドキッとする
  • 胸が一瞬つまるように感じる
  • 心臓が大きく打ったように感じる
  • 胸の違和感や圧迫感がある

期外収縮は、気づかない人も多く、多くの場合は問題のない不整脈です。一方、一定時間続く頻脈や極端な徐脈では、胸苦しさ、めまい、失神などが起こることがあります。

大切なのは、次の3点です。

  1. 一度の「ドクン」だけで危険な病気と決めつけない
  2. 「期外収縮だろう」と自己判断しない
  3. 頻度、持続時間、伴う症状を確認する

心臓がドクンとしたとき、すぐ119番を呼ぶべき症状

心臓の「ドクン」という拍動とともに、次の症状がある場合は、様子を見ずに119番へ連絡してください。

  • 突然の激しい胸痛がある
  • 胸の中央が締め付けられる、圧迫される
  • 急な息切れや呼吸困難がある
  • 意識を失った、意識が遠のく
  • 支えなしでは立てないほど急にふらつく
  • 冷や汗、吐き気、顔色の悪化を伴う
  • 動悸が続き、明らかに体調が悪化している
  • 心臓病の治療中に、これまでになかった症状が出た

厚生労働省は、突然の激しい胸痛、急な息切れ・呼吸困難、胸の中央が締め付けられるような痛みなどを、迷わず救急車を呼ぶべき症状として挙げています。

救急車を呼ぶべきか判断に迷う場合、対応地域では救急安心センター「#7119」に相談できます。医師、看護師、救急救命士などから、救急要請や受診についての助言を受けられます。

心臓が一瞬ドクンとする仕組み

1.予定より早い拍動の後に、強い拍動を感じる

「拍動(はくどう)」とは、心臓が規則正しく収縮と拡張(弛緩)を繰り返し、血液を全身に送り出す周期的な動きのことです。

この心臓のポンプ機能によって生じる動脈の波打ちを「脈拍(みゃくはく)」と呼びます。

心臓は普段、「トン、トン、トン」とほぼ一定のリズムで動いています。

期外収縮が起こると、次の拍動を待たずに、心臓が予定より早く一度動きます。この早過ぎる拍動は弱いため、自分では気づかなかったり、脈が一拍抜けたように感じたりすることがあります。

その後、次の拍動まで少し間が空きます。すると、次に心臓が動いたときの拍動が普段より強くなり、「ドクン」と大きく感じることがあります。

つまり、「ドクン」と感じた一拍そのものが突然起きたのではなく、その直前にあった早い拍動と、その後の短い間が関係している可能性があります。

2.「ドクン」には複数の感じ方がある

「心臓がドクンとする」といっても、実際の症状は人によって異なります。

  • 一度だけ大きく打つ
  • 脈が一拍抜けた後に強く打つ
  • 数秒に一度、ドクンと繰り返す
  • ドクンドクンとゆっくり強く打つ
  • ドクドクと速い状態が続く
  • 胸ではなく喉の付近で拍動を感じる
  • せき込みや胸のつかえを伴う

感じ方の違いだけで不整脈の種類を確定することはできません。正確に確認するには、症状が起きているときの心電図で判断することが重要です。

心臓がドクンとする主な原因

1.期外収縮

心臓が一瞬ドクンとする場合、最も考えやすい原因の一つが期外収縮です。

期外収縮は、異常な電気信号が発生する場所によって、主に次の2種類に分けられます。

a.上室性期外収縮

心臓の上側にある心房などから、予定より早い電気信号が出るタイプです。「心房性期外収縮」と呼ばれることもあります。

健康な人にもみられ、心臓に基礎疾患がなければ、治療を必要としない場合も少なくありません。

b.心室性期外収縮

血液を全身へ送り出す心室から、予定より早い電気信号が出るタイプです。

健康な人にもみられますが、回数が多い場合、連続して起こる場合、心臓病がある場合などは、詳しい検査が必要になることがあります。

「上室性だから安全」「心室性だから危険」と、名称だけで判断することはできません。心電図の波形、頻度、心臓病の有無、症状などを総合して判断します。

2.頻脈性不整脈

心臓が一度だけドクンとするのではなく、突然ドクドクと速くなり、一定時間続く場合は、頻脈性不整脈の可能性があります。

代表例には次のものがあります。

a.発作性上室性頻拍

心臓の上側で電気信号がぐるぐる回り、突然、脈が非常に速くなる不整脈です。急に始まり、急に止まることが特徴で、強い動悸や息苦しさを感じることがあります。

b.心房細動

心臓の上側にある心房が細かく震え、脈の速さや間隔がバラバラになる不整脈です。血液の塊ができると、脳梗塞につながることがあるため注意が必要です。

c.心房粗動

心房の中を電気信号が同じルートで速く回り続けることで、脈が速くなる不整脈です。心房細動と似ていますが、心房粗動では電気信号が比較的規則正しく回っています。

d.心室頻拍

血液を全身へ送り出す心室から異常な電気信号が出て、心臓が非常に速く動く不整脈です。心臓から十分な血液を送り出せなくなり、めまいや失神を起こすことがあり、命に関わる場合もあります。

脈が速い状態では、心臓が十分に血液を送り出せなくなり、胸苦しさ、息切れ、めまい、失神などが起こることがあります。

日本循環器学会は、心房細動、発作性上室性頻拍、心室頻拍などでは、ドキドキする、胸が苦しいといった症状が起こりやすいと説明しています。

3.徐脈や房室ブロック

脈と脈の間隔が長く空いた後、次の拍動が強くなり、「ドクン」と感じる場合があります。

徐脈とは、心拍数が極端に少ない状態です。房室ブロックでは、心房から心室へ電気信号が伝わりにくくなったり、途中で伝わらなくなったりします。

極端な徐脈によって脳への血流が低下すると、次の症状が起こることがあります。

  • めまい
  • 目の前が暗くなる
  • 強い倦怠感
  • 息切れ
  • 失神

失神や意識が遠のく症状を伴う場合は、早急な受診が必要です。

4.ストレスや緊張

強い緊張や不安を感じると、交感神経の働きが高まり、心拍が速くなったり、普段は意識しない拍動を強く感じたりすることがあります。

ただし、「ストレスがあるから心臓には問題がない」とは限りません。

動悸や胸苦しさは、パニック発作でも起こりますが、不整脈や心臓病でも起こります。繰り返す場合は、最初から精神的な問題と決めつけず、身体的な原因がないか確認することが大切です。

5.睡眠不足や疲労

睡眠不足や過労が続いたときに、「ドクン」という拍動を感じやすくなる人もいます。

日本循環器学会は、ストレスや睡眠不足について、不整脈を引き起こしたり、もともとの不整脈を助長したりする可能性がある要因として挙げています。

特に、寝不足の日にカフェインを大量に摂取すると、動悸や不安感をより強く感じる可能性があります。

6.カフェイン・アルコール・喫煙

次のものは、不整脈を誘発・増悪させる可能性があります。

  • コーヒー
  • エナジードリンク
  • カフェインを含む栄養ドリンク
  • アルコール
  • たばこ
  • ニコチンを含む製品

影響の程度には個人差があります。

心臓のドクンという症状が出たときは、「何をどれくらい飲んだか」「飲酒の何時間後に起きたか」も記録しておきましょう。

7.脱水・発熱・貧血

脱水、発熱、貧血などによって、全身へ血液や酸素を届けるために心拍数が増えることがあります。

次の症状を伴う場合は、心臓だけでなく全身の状態を確認する必要があります。

  • 立ちくらみ
  • 疲れやすさ
  • 顔色の悪さ
  • 息切れ
  • 発熱
  • 下痢や嘔吐
  • 食事や水分を十分に取れていない

貧血などが疑われる場合は、血液検査が行われます。

8.甲状腺機能亢進症

甲状腺ホルモンが過剰になると、心拍が速くなったり、不整脈が起こりやすくなったりします。

動悸のほか、次の症状を伴うことがあります。

  • 汗をかきやすい
  • 手が震える
  • 体重が減る
  • 暑がりになる
  • 落ち着かない
  • 疲れやすい

甲状腺の異常は、主に血液検査で確認します。

9.心筋症・心筋梗塞・弁膜症などの心臓病

期外収縮は健康な人にも起こりますが、心臓の病気に伴って発生することもあります。

特に注意が必要なのは、次のような場合です。

  • 心筋梗塞や心不全になったことがある
  • 心筋症や弁膜症を指摘されている
  • 高血圧や糖尿病がある
  • 運動中に症状が出る
  • 失神したことがある
  • 家族や近親者に若年・中年での突然死がある
  • 以前にはなかった動悸が現れた

日本循環器学会は、心臓病がある人に、これまでになかった動悸、息切れ、失神、めまいなどが起きた場合、速やかに担当医へ相談するよう案内しています。

心臓がドクンとする状況別の考え方

心臓が「ドクン」とする症状は、起こる回数や間隔、続く時間、起こりやすい場面によって考え方が異なります。

期外収縮のように一拍だけ早く心臓が収縮する不整脈では、「脈が飛ぶ」「一瞬ドキッとする」「胸がつまる」と感じることがあります。多くは問題のない不整脈ですが、頻脈が続く場合や、息切れ、めまい、失神などを伴う場合は注意が必要です。

ただし、「ドクンとした回数」や本人の感じ方だけで、不整脈の種類や危険性を判断することはできません。

まずは、次の点を確認しましょう。

  • 一度だけか、何度も繰り返しているか
  • 一瞬で終わるか、速い動悸が続いているか
  • 数秒に一度など、一定の間隔で起きているか
  • 数日以上続く、または以前より増えていないか
  • 胸痛、息苦しさ、めまいなどを伴っていないか
  • 就寝時や運動時など、決まった場面で起きていないか

1.症状別の対応早見表

症状のパターン考えられる状態対応の目安
一度だけドクンとして治まった単発の期外収縮などほかの症状がなければ、記録して経過を確認する
一日に何度かドクンとする単発の期外収縮が繰り返している可能性毎日続く、増えている場合は循環器内科へ相談する
一定間隔・数秒に一度起こる二段脈、三段脈などの可能性自覚症状だけでは判断できないため、心電図で確認する
何日も続いている生活習慣の影響、不整脈、全身の病気など軽くても内科・循環器内科への相談を検討する
ドクドクと速い動悸が続く頻脈性不整脈など早めに受診し、強い症状があれば救急要請を検討する
胸痛、呼吸困難、失神を伴う緊急性の高い心疾患や不整脈の可能性回数にかかわらず119番を検討する

2.一度だけドクンとして、すぐ治まった

心臓が一度だけ「ドクン」として、すぐに普段の状態へ戻った場合は、単発の期外収縮など、一時的な心拍の変化である可能性があります。

胸痛、息苦しさ、めまい、冷や汗などを伴わず、その後も普段どおりに過ごせている場合は、安全な場所で休みながら経過を確認しましょう。

再び症状が起きた場合に備えて、次のことを記録しておくと役立ちます。

  • 症状が起きた時刻
  • 食事中、仕事中、就寝前など、何をしていたか
  • 睡眠不足や疲労がなかったか
  • コーヒーやアルコールを摂取していなかったか
  • 胸痛、息苦しさ、めまいを伴わなかったか

一度だけでも、これまで経験したことがないほど強い症状だった場合や、不安が大きい場合は医療機関へ相談してください。

3.一日に何度も、一定間隔または数秒に一度ドクンとする

一日に数回、時間を空けて「ドクン」とする場合は、単発の期外収縮が繰り返し起きている可能性があります。

また、次のように一定のパターンで感じる場合もあります。

  • 「トン、ドクン、トン、ドクン」と交互に感じる
  • 3拍に1回ほど大きな拍動を感じる
  • 数拍ごとに脈が飛ぶ
  • 数秒に一度、胸がつかえるように感じる

正常な拍動と期外収縮が交互に起きる状態は「二段脈」、正常な拍動が2回続いた後に期外収縮が起きる状態は「三段脈」と呼ばれます。

ただし、本人が感じるリズムだけで、二段脈や三段脈と判断することはできません。ほかの不整脈でも似た症状が現れるため、正確な確認には心電図が必要です。

「一日に何回までなら安全」という明確な基準もありません。回数だけでなく、次のような変化に注意しましょう。

  • これまでなかった症状が現れた
  • 以前より明らかに回数が増えた
  • 数日以上、毎日のように続いている
  • 動悸が気になり、仕事や睡眠に支障が出ている
  • 息切れ、めまい、ふらつきを伴う

該当する場合は、循環器内科への相談を検討してください。

受診時の短時間心電図で症状が出なければ、異常を捉えられない場合があります。ホルター心電図では日常生活中の心電図を長時間記録し、動悸やめまいなどが起きたときの心電図を確認します。

4.ドクンとする症状が何日も続いている

心臓が「ドクン」とする症状が何日も続く場合は、「疲れているだけ」「そのうち治る」と決めつけないことが大切です。

睡眠不足、疲労、ストレス、カフェイン、飲酒などによって、不整脈が起きたり、もともとの不整脈が増えたりする可能性はあります。

一方で、次のような体の異常が関係する場合もあります。

  • 不整脈
  • 心筋症や弁膜症などの心臓病
  • 甲状腺機能の異常
  • 貧血
  • 脱水
  • 電解質の異常
  • 服用している薬の影響

症状が軽くても、毎日のように繰り返す、徐々に回数が増える、生活に支障が出ている場合は、内科または循環器内科へ相談しましょう。

診察時には、「何日間続いているか」だけでなく、症状が起きた時刻や頻度、直前の行動も伝えると診断の手がかりになります。

5.ドクドクと速い状態が続く

一度だけ「ドクン」とするのではなく、突然「ドクドクドク」と脈が速くなり、その状態が数分以上続く場合は、頻脈性不整脈の可能性があります。

代表的なものには、次の不整脈があります。

  • 発作性上室性頻拍
  • 心房細動
  • 心房粗動
  • 心室頻拍

発作性上室性頻拍は、突然脈が速くなり、突然元に戻る不整脈です。

心房細動は、脈の間隔がバラバラになる不整脈です。

心房粗動は、心臓の上側で電気信号が速く回り続ける不整脈です。

心室頻拍は、血液を全身へ送り出す心室から速い拍動が起こる不整脈で、命に関わる場合があります。

日本循環器学会は、心房細動、発作性上室性頻拍、心室頻拍など、一定時間続く頻脈では、動悸や胸苦しさなどが現れやすいと説明しています。

速い動悸が治まっても、同じ症状を繰り返す場合は循環器内科を受診してください。

次の症状を伴う場合は、救急要請を検討します。

  • 胸の痛みや圧迫感
  • 強い息苦しさ
  • 冷や汗や吐き気
  • めまい、ふらつき
  • 意識が遠のく
  • 失神
  • 顔色が悪い
  • 動けないほど体調が悪い

6.横になると心臓がドクンとする

夜、静かな場所で横になると、周囲の刺激が少なくなるため、日中は気づかなかった心拍を感じやすくなることがあります。

横向きになったときに、心臓の拍動が胸に伝わりやすくなり、「ドクン」と大きく感じる人もいます。

一方、就寝時や睡眠中に実際の不整脈が起きている可能性もあります。次の場合は、単に心拍を感じやすくなっているだけと考えず、医療機関へ相談してください。

  • 毎晩のように起こる
  • 何日も続いている
  • 動悸が気になって眠れない
  • 夜中に動悸で目が覚める
  • 息苦しくて目が覚める
  • 横になると呼吸が苦しい
  • 体を起こすと呼吸が楽になる
  • 胸痛や冷や汗を伴う

横になると息苦しく、起き上がると楽になる症状は、心不全などでもみられます。動悸だけでなく呼吸の苦しさを伴う場合は、早めに受診しましょう。

夜間など限られた時間にしか症状が出ない場合は、日常生活中から睡眠中まで記録する長時間心電図が、症状と心拍の関係を確認する手がかりになります。

7.運動中や運動直後にドクンとする

運動中に心拍数が増え、心臓が強く動くこと自体は正常な反応です。運動をやめた直後も、しばらくは拍動を強く感じることがあります。

ただし、運動中や運動直後に次のような変化がある場合は、不整脈や心臓病が関係している可能性があります。

  • 脈が飛ぶ
  • 一定間隔でドクンとする
  • 突然、脈が非常に速くなる
  • 強い動悸が運動をやめても治まらない
  • 運動量に見合わない息切れがある

症状がある間は、ランニングや激しい筋力トレーニングなどを控え、循環器内科へ相談してください。

特に、運動中に胸痛、強い呼吸困難、めまい、意識消失が起きた場合は、救急対応が必要です。

8.ストレス、寝不足、カフェイン、飲酒後にドクンとする

仕事で緊張したときや強い不安を感じたとき、寝不足や疲労が続いたときに、心臓が「ドクン」としたり、普段より拍動を強く感じたりすることがあります。

カフェイン、喫煙、アルコール、ストレス、睡眠不足などは、不整脈を引き起こしたり、もともとの不整脈を助長したりする可能性があります。

症状が出た場合は、その日は追加のカフェインや飲酒を控え、安静にしましょう。

繰り返す場合は、次の情報を記録します。

  • 前日の睡眠時間
  • ストレスや疲労の状態
  • 飲んだものと量
  • 摂取した時刻
  • 症状が始まるまでの時間
  • 症状が続いた時間
  • 脈の速さや乱れ
  • 一緒に現れた症状

ただし、「寝不足だから」「ストレスが原因だろう」と自己判断するのは避けてください。

十分に休んでも繰り返す、落ち着いているときにも起こる、脈の乱れや息苦しさを伴う場合は、医療機関で身体的な原因がないか確認しましょう。

9.頻度にかかわらず、すぐに対応が必要な症状

心臓が「ドクン」とする回数が一度だけであっても、次の症状を伴う場合は注意が必要です。

  • 強い胸痛や胸の圧迫感がある
  • 急な息切れや呼吸困難がある
  • 冷や汗や吐き気を伴う
  • 意識を失った
  • 意識が遠のく感じがある
  • 支えなしでは立てないほどふらつく
  • 脈が非常に速い状態が続く
  • 運動中に胸痛や失神が起きた
  • 心臓病の治療中に、これまでになかった症状が現れた

心臓病のある人に、これまでになかった動悸、息切れ、失神、めまいなどが現れた場合、日本循環器学会は速やかに担当医へ相談するよう案内しています。

強い症状がある場合は、回数を数えたり、自宅で長時間様子を見たりせず、119番への連絡を検討してください。

10.回数よりも「増え方・続き方・伴う症状」が重要

心臓が「ドクン」とする症状は、単純な回数だけで危険性を判断できません。

一日に数回でも、胸痛や失神を伴えば緊急性があります。一方、短時間に何度か起きても、検査の結果、治療を必要としない期外収縮と判断されることもあります。

特に確認したいのは、次の3点です。

  1. 以前より回数が増えているか
  2. 数日以上、繰り返し続いているか
  3. 胸痛、息苦しさ、めまい、失神などを伴うか

症状を繰り返す場合は、「ドクンとした」という感覚だけでなく、起きた時刻、頻度、持続時間、そのときの行動を記録しましょう。

症状が起きている時間を含めて心電図を記録することが、原因を確認するための手がかりになります。短時間では捉えにくい発作性の不整脈について、記録期間を長くすることで発見につながる可能性も報告されています。

心臓がドクンとしたときのセルフチェック

1.手首で脈を確認する

症状が出たら、安全な場所で安静にし、反対側の手の人差し指と中指を、手首の親指側に当てます。

次の点を確認しましょう。

  • 脈は規則的か
  • 一拍抜ける感じがあるか
  • 極端に速くないか
  • 極端に遅くないか
  • 強さが一拍ごとに違わないか

15秒間の脈拍数を数えて4倍すると、1分間の脈拍数の目安になります。

日本循環器学会も、不整脈を感じているときの脈拍を確認することが、診断や治療方針を決める情報になると説明しています。

首の動脈を強く押したり、両側を同時に押したりするのは避けてください。

2.症状を記録する

受診時に役立つのは、「ドクンとした」という言葉だけではなく、起きた状況です。

次の項目をスマートフォンや手帳に記録しましょう。

  • 発生した日付と時刻
  • 何をしていたか
  • 一度だけか、繰り返したか
  • 何秒・何分続いたか
  • 脈が速かったか、遅かったか
  • 胸痛、息切れ、めまいの有無
  • 食事、飲酒、カフェイン摂取との関係
  • 前日の睡眠時間
  • 服用している薬
  • スマートウォッチなどの記録

症状が出た時刻を記録しておくと、長時間心電図を行った際に、症状と心電図の変化を照らし合わせる手がかりになります。

自宅で長時間心電図を記録する「ホーム心臓ドックpro」

心臓がドクンとしたときのセルフチェックに誰でも利用できる、自宅で長時間心電図を記録する方法があります。(緊急性の高い症状がないことが前提)

株式会社ココロミルの「ホーム心臓ドックpro」は、大学病院でも使われている小型の心電計を胸部に装着し、自宅で心電図を記録するサービスです。

検査時間は最低9時間以上、睡眠時を含む最大24時間までOK。返送された心電図データは、専門の医療従事者が解析し、結果レポートとして提供されます。心配だけど病院に行くまでではない、迷っている方から「日常生活のまま病院と同程度の検査が手軽に受けられる」と好評です。

ホーム心臓ドックproでは、主に次のような項目を解析します。

  • 不整脈、心臓の状態
  • 睡眠の質
  • 睡眠時無呼吸症候群のリスク
  • ストレスや自律神経の傾向

また、検出できる不整脈は以下10種類です。

自分で脈を測るのが難しい方、うまく測れているか自信がない方にも

症状が起きたときに手首で脈を測ったり、発生時刻や回数を正確に記録したりするのは、簡単ではありません。特に症状が一瞬で治まる場合や、仕事中・睡眠中に起こる場合は、自分で状態を確認できないこともあります。

ホーム心臓ドックproであれば、難しいセルフチェックをせずに、心拍の変化を客観的なデータとして長時間分残せます。

さらにレポートは、医療機関を受診する際に持参できます。健康診断の結果と同じように、症状が起きた時間帯の心電図や不整脈の兆候を医師へ伝えるための資料となり、検査や診断の方針を検討する手がかりになります。

「病院へ行ったときには症状が治まっている」「いつ起きたのかうまく説明できない」という方にとって、日常生活中の心電図を記録しておくことは、早い段階で適切な受診や検査につなげるための選択肢の一つです。

ホーム心臓ドックproでは対応できないことと注意点

ホーム心臓ドックproは、心臓病を確定診断するものではありません。
また、次のような検査の代わりにはなりません。

  • 救急外来での診察
  • 心エコー検査
  • 血液検査
  • 冠動脈CT
  • 呼吸器疾患の検査
  • 医師による対面診療

強い胸痛、呼吸困難、失神、急激な症状の悪化がある場合は、商品を申し込んだり自宅で検査したりするのではなく、119番への連絡や医療機関の受診を優先してください。

【ホーム心臓ドック®の体験談】 急に始まった「胸がドクンとする」違和感。病院に行くまでの不安な時間を、確かなアクションへ

「ある日突然、胸のあたりに『ドクン』と波打つような違和感を覚えたんです。一時的なものか、それとも何か重い病気のなのか。ネットで調べれば調べるほど、不安が募るばかりでした。」

そう語るAさん(45歳・女性)。基本、健康ではあるものの、40歳頃から太りだしたことと高血圧だったため、急に始まった心臓への違和感に様々な不安が押し寄せました。

「でも、心臓は自覚症状があっても何なのか分かりにくい。喉元が苦しいような時もあり、そもそも心臓なのか病気なのかもわかりにくく、通院しようにも何かに行くべきか迷いました。」

何科に行けばいいのか、そもそも病気なのかもわからない

忙しい中で、できれば通院はスピーディーかつ無駄なくしたい。しかし、心臓特有の「病院に行ったときは症状が治まっていたら、問題なしで済まされてしまうのでは?」「症状をうまく説明できるか自信がない」という懸念が、Aさんの足取りを重くしていました。

「地域のクリニックだと内科、循環器科などがあり、さらに循環器は不整脈専門を掲げているところもあったりして…。受診する病院もどこが正解なのかも分からず、困っていました。」

この「受診までの隙間時間」、ただ不安に苛まれるだけの時間が、最も苦しいものだったとAさんは振り返ります。

「ホーム心臓ドックpro」が、不安な時間を具体的なアクションへ。

そんな時、Aさんが出会ったのが、「ホーム心臓ドックpro」でした。家庭で手軽に心電図を記録できるという点に惹かれ、利用を決意しました。

「とにかく心臓のあたりが痛いことは確か。通院するにしてもそれまでの時間を使って、自分でできることがある。ただ不安なまま過ごすのではなく、セルフチェックをしてみようと考えました。」

「注文から即日自宅にキットが届き、さっそくその夜から24時間、心電図を胸に貼りつけ生活してみました。手のひらより小さい心電図をシールで貼り付けるだけなので簡単でした。私は日曜の夜から貼り付けたので翌日はいつも通り仕事をしてる間に装着。違和感もストレスもなかったです。」

そして何より、症状が出たその瞬間の心電図を記録できることが、Aさんにとって大きな意味を持ちました。

「実際、つけてみると症状が出た瞬間、明らかに心電図の波形にも動きがありました。ネットで調べたところ、期外収縮か心臓肥大の波形に似ていたので、レポートの結果を待って循環器を受けようと決めました。」

客観的なデータがもたらしたもの。

得られた心電図データは、専門者によって解析され、詳細なレポートとして戻ってきました。

「戻ってきたレポートには、心室性期外収縮と書かれており、該当する私の心電図も添えられていました。健常人でも現れるもっとも一般的な不整脈らしく、『今すぐ死ぬような病気かもしれない』という漠然とした不安から、『私の心臓の状態はこうなっている』という事実への認識に変わりました。」

レポートには、アドバイスも記載されており、Aさんはその情報をもとに、スピーディーに適切な病院を選び、予約することができました。

スムーズな受診へ、そしてその先へ。

病院での受診時も、このレポートを持参することで、医師への説明がスムーズに進み、適切な診断につながりました。

「ホーム心臓ドック®のレポートを持っていき、症状と敬意を医師に説明しました。ただ不安なまま過ごしていたはずの『通院までの隙間時間』が、自分自身の身体と向き合い、適切な医療へ繋がるための貴重な時間となりました。『ホーム心臓ドックpro』は、病院へ行くまでの不安な時間に、確かな道標を示してくれた、頼れるパートナーでした。」

「また、レポートのおかげで私もうまく症状の説明ができ、先生の診断もスピーディーで、まずは甲状腺や他の病気が隠れていないかを調べるため血液検査から行うことになりました。同じように、心臓の違和感に悩みながらも、病院へ行くのを躊躇している方に、ぜひ知っていただきたいサービスです。」

心臓がドクンとするときの対処法

1.まず動作を止めて安静にする

運動や作業を中止し、転倒しない安全な場所で座りましょう。

運転中の場合は、安全な場所へ停車してください。めまいや意識が遠のく感じがある場合は、自分で運転して受診しないでください。

2.カフェインやアルコールを追加で取らない

症状が出た後に、エナジードリンクやコーヒーを重ねて飲むことは避けましょう。

寝酒で無理に眠ろうとすることもおすすめできません。

3.自己判断で薬を中断しない

服用している薬が原因ではないかと思っても、自己判断で中止しないでください。

日本循環器学会も、副作用が疑われる場合を含め、処方薬を勝手に中断せず、医療機関へ問い合わせるよう案内しています。

4.睡眠と休息を確保する

寝不足や疲労が続いている場合は、十分な睡眠と休息を確保します。

ただし、休めば一時的に改善するからといって、繰り返す動悸をすべて疲労のせいにしないことが大切です。

心臓がドクンとするときは何科を受診する?

基本的な受診先は、内科または循環器内科です。

特に次の場合は、循環器内科が適しています。

  • 脈が飛ぶ、乱れる
  • 動悸が突然始まり、突然止まる
  • ドクンという症状を何度も繰り返す
  • 安静時にも症状が出る
  • 息切れやめまいを伴う
  • 健診で不整脈を指摘された
  • 心臓病の既往がある
  • 家族に突然死した人がいる

胸痛や強い呼吸困難、失神などがある場合は、通常の外来を待たず、救急要請を検討してください。

心臓がドクンとするときに病院で行われる検査

1.12誘導心電図

胸、手首、足首などに電極を付けて、心臓の電気活動を記録します。

不整脈、心筋梗塞、心肥大、伝導障害などを確認する基本的な検査です。

ただし、検査時間は短いため、症状が出ていないタイミングでは、一時的な不整脈を記録できないことがあります。

2.ホルター心電図・長時間心電図

小型の心電計を装着し、日常生活中の心電図を長時間記録します。

国立循環器病研究センターは、ホルター心電図について、普段の行動の中で心電図がどう変化するか、胸痛、動悸、めまいなどが起きたときにどのような心電図になっているかを調べる検査と説明しています。

症状が毎日起こる場合や、夜間・睡眠中に起きる場合に有用です。

3.発作時心電図

症状の頻度が少ない場合、一定期間心電計を携帯し、症状が出たときに心電図を記録する方法があります。

国立循環器病研究センターでは、発作時の記録と通常時の心電図を比較し、症状が不整脈や虚血性変化によるものかを調べると説明しています。

4.心エコー検査

超音波を使い、心臓の動きや構造を確認します。

  • 心臓のポンプ機能
  • 心臓の筋肉の厚さ
  • 心臓弁の状態
  • 心臓の大きさ
  • 血液の流れ

などを調べます。

5.血液検査

症状に応じて、次のような項目を確認します。

  • 貧血
  • 甲状腺ホルモン
  • カリウムなどの電解質
  • 炎症
  • 腎機能
  • 心臓への負担を示す数値

まとめ|「心臓がドクン」という感覚を、客観的な記録につなげる

心臓が一瞬ドクンとする症状は、期外収縮によって起きている可能性があります。

期外収縮の多くは健康な人にも起こり、問題のないケースがほとんどです。

一方で、「ドクン」という感覚だけから、不整脈の種類や危険性を判断することはできません。頻脈、徐脈、心房細動、心臓病などが関係している場合もあります。

特に、胸痛、息切れ、めまい、失神、冷や汗などを伴う場合は、早急な対応が必要です。

症状を繰り返す場合は、次の情報を記録しましょう。

  • 症状が起きた時刻
  • 頻度と持続時間
  • そのときの脈拍
  • 胸痛や息切れの有無
  • 睡眠、疲労、飲酒、カフェインとの関係

「ドクンと感じた」という主観的な違和感を、心電図という客観的な記録につなげることが、原因を確認し、適切な医療へ進むための第一歩です。

心臓がドクンとする症状についてのよくある質問

心臓が一回だけドクンとするのは大丈夫ですか?

一度だけで、ほかの症状がなく、すぐ普段の状態に戻った場合は、期外収縮など一時的な変化の可能性があります。

ただし、症状だけでは判断できません。繰り返す、以前より増えた、胸痛やめまいを伴う場合は、循環器内科へ相談してください。

心臓がドクンとするのはストレスが原因ですか?

ストレスや緊張によって、心拍が速くなったり、期外収縮を感じやすくなったりすることはあります。

ただし、心臓の病気やほかの不整脈でも同じ症状が起こります。「ストレスだろう」と決めつけないことが大切です。

寝不足で心臓がドクンとすることはありますか?

睡眠不足は、不整脈を引き起こしたり助長したりする可能性があります。

寝不足の日はカフェイン摂取が増えやすいため、両方が症状に関係している場合もあります。睡眠を確保しても繰り返す場合は受診してください。

心臓がドクンとするけれど痛くない場合も受診すべきですか?

痛みがなくても、何度も繰り返す、脈が極端に速い・遅い、息切れやめまいを伴う場合は受診が必要です。

不整脈は胸痛を伴わないこともあります。

20代や30代でも期外収縮は起こりますか?

期外収縮は年齢に関係なく、健康な人にも起こることがあります。

若い人でも、運動中の失神、心臓突然死の家族歴、強い胸痛などがある場合は、専門医へ相談してください。

健康診断の心電図が正常なら安心ですか?

健康診断の心電図は、検査をしている短い時間の状態を記録するものです。

一時的に起こる不整脈や夜間だけの不整脈は、検査中に発生しなければ記録されない場合があります。症状を繰り返す場合は、長時間心電図などについて医師へ相談しましょう。

参考資料・ソースURL

  1. 日本循環器学会「不整脈の症状は?」
    https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about2.htm
  2. 日本循環器学会「危険な不整脈の原因と兆候は?」
    https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about3.htm
  3. 日本循環器学会「生活上の注意」
    https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about5.htm
  4. 国立循環器病研究センター「ホルター心電図(長時間心電図)」
    https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/laboratorymedicine/physiofunction/detail03/
  5. 国立循環器病研究センター「発作時心電図検査」
    https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/laboratorymedicine/physiofunction/detail05/
  6. 国立循環器病研究センター「不整脈科 対象疾患・治療法」
    https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/cvm/arrhythmia/treatment-20/
  7. 国立循環器病研究センター「7日間の心電図検査で“見逃されていた心房細動”が見つかる」
    https://www.ncvc.go.jp/hospital/topics/topics_36979/
  8. 厚生労働省「こんな時は迷わず119へ」
    https://kakarikata.mhlw.go.jp/kakaritsuke/urgency.html
  9. 総務省消防庁「救急安心センター事業 #7119」
    https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html
  10. 株式会社ココロミル「サービス」
    https://kokoromil.com/service/
  11. ホーム心臓ドックpro
    https://homeheart.health/products/homeheart-pro01

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内容は、社内の編集チームが作成し、公開前に薬事・品質管理チームが確認しています。

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  • 薬機法担当/医療機器最高技術責任者(CTO)
    総括製造販売責任者・管理責任者・国内品質業務運営責任者:岡庭 貴志
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参考にしている主な情報源

本記事の内容は、次のような信頼できる情報を参考にしています。

  • 厚生労働省など行政機関の資料・統計・ガイドライン
  • 日本循環器学会などの学会が公表する診療ガイドライン・声明
  • ピアレビューを経た医学・科学論文
  • 大学・公的研究機関の研究成果 など

必要に応じて内容を見直し、重要な更新があれば記事を改訂します。

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特定の方の診断や治療方針の決定、医療行為の代わりにはなりません。

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