ヘルスケアに関するコラム
2026年6月30日
高齢者の睡眠時間は何時間が理想?短くなる理由・眠りが浅い原因・受診の目安を解説
「年をとってから夜中に何度も目が覚めるようになった」
「高齢になると睡眠時間が短くなるのは普通?」
「昔のように眠れないけれど、病気ではないのか心配」
高齢になると、睡眠に変化を感じる方は少なくありません。実際、若い頃より早く目が覚めたり、眠りが浅くなったり、夜中に何度も起きたりしやすくなります。
結論からいうと、高齢者の睡眠時間が短くなること自体は、ある程度自然な変化です。
ただし、「加齢によるよくある変化」で済む場合もあれば、睡眠時無呼吸症候群や頻尿、痛み、不整脈、自律神経の乱れなどが隠れているケースもあります。
大切なのは、単に「長く寝ること」を目指すのではなく、今の自分に合った睡眠時間と、しっかり休める睡眠の質を考えることです。
この記事では、高齢者の睡眠時間が短くなる理由、理想的な睡眠時間の目安、注意したい睡眠障害、今日からできる改善策、受診したほうがよいサインまで、わかりやすく解説します。
高齢者の睡眠はなぜ変わる?まず知っておきたい特徴
高齢者の睡眠には、いくつかの特徴があります。

- 若い頃と比べると、早寝早起きになりやすい
- 深い睡眠が減って、眠りが浅くなりやすい
- その結果、夜中に何度も目が覚めやすい
- 寝床にいる時間は長くても、実際にぐっすり眠れている時間は短くなりやすい
つまり、「寝ている時間が減った」というより、眠りの質や眠り方が変わるのが高齢者睡眠の大きな特徴です。
そのため、若い頃と同じ感覚で「8時間眠らないと足りない」と考えると、かえって眠れない時間が増え、睡眠への不安が強くなることがあります。
高齢者の睡眠時間が短くなる主な理由
加齢によって深い眠りが減る
年齢を重ねると、睡眠の構造が変化します。
深いノンレム睡眠が減り、浅い眠りが増えるため、ちょっとした物音や尿意でも目が覚めやすくなります。
その結果、本人としては「ちゃんと寝た気がしない」「昔より睡眠時間が短くなった」と感じやすくなります。
日中の活動量が減る
高齢になると、仕事を引退したり外出が減ったりして、若い頃より体を動かす量が少なくなりやすいです。
すると、身体的な疲労が少なくなり、長時間の睡眠を必要としにくくなります。
また、外に出る機会が減ると、朝の光を浴びる時間も減りやすく、体内時計が乱れて寝つきの悪さにつながることもあります。
寝床にいる時間が長すぎる
高齢者に多いのが、眠くないのに早く布団に入ってしまうパターンです。
寝床にいる時間が長すぎると、「眠る場所」が「眠れずに過ごす場所」になってしまい、寝つきの悪さや中途覚醒が増えやすくなります。
「早く寝れば長く眠れる」は、必ずしも正しくありません。
特に高齢者は、必要以上に長く寝床にいると睡眠の満足度が下がることがあります。
ストレスや不安が強くなる
「眠れなかったらどうしよう」
「このままだと認知症になるのでは」
「自分だけ眠れていないのでは」
こうした不安は、高齢者の不眠を悪化させやすい要因です。
眠れないことを意識しすぎるほど交感神経が高ぶり、ますます眠れなくなる悪循環に入りやすくなります。
病気や薬の影響がある
高齢者の睡眠では、加齢だけでなく持病や服薬の影響も見逃せません。
たとえば、夜間頻尿、慢性の痛み、かゆみ、息苦しさ、咳、うつ、不安障害、認知症、睡眠時無呼吸症候群などは、睡眠を妨げる代表的な原因です。
また、服用している薬によっては眠りにくさや中途覚醒につながることもあります。
高齢者の理想的な睡眠時間は何時間?
高齢者の睡眠時間に「絶対に何時間」と言い切れる基準はありません。
ただ、一般的には5~7時間前後がひとつの目安と考えられています。
若い頃は7~8時間眠れていた人でも、高齢になると6時間前後で自然に目が覚めることは珍しくありません。
この変化自体は、必ずしも異常ではありません。
大事なのは、睡眠時間の長さよりも、
- 朝起きたときに強い疲労感がないか
- 日中に眠気で困っていないか
- 生活に支障が出ていないか
を見ることです。
つまり、高齢者の睡眠は時間そのものより、日中の状態で評価するほうが実際的です。

「短い睡眠=悪い」とは限らないが、こんな場合は要注意
高齢者では睡眠時間が短くなりやすいとはいえ、次のような状態がある場合は注意が必要です。
- 朝起きても疲れがまったく取れない
- 日中に強い眠気がある
- 毎日1時間以上の昼寝が必要になる
- 夜中に何度も起きて、そのたびに長く眠れない
- いびきが強い、呼吸が止まると言われる
- 寝言や手足の激しい動きがある
- 起床時に頭痛やだるさが強い
このような場合は、単なる加齢変化ではなく、睡眠障害や他の病気が隠れている可能性があります。
高齢者に多い睡眠障害
睡眠時無呼吸症候群
睡眠中に呼吸が何度も止まる病気です。
いびき、夜間の中途覚醒、起床時の頭痛、日中の眠気などが特徴で、高血圧や脳梗塞、心疾患リスクにも関わります。
「たくさん寝ているのに疲れが取れない」という方では、見逃されていることがあります。
むずむず脚症候群
夜になると脚がむずむずして落ち着かず、じっとしていられなくなる状態です。
寝つきが悪くなり、高齢者の不眠の原因になることがあります。
周期性四肢運動障害
睡眠中に脚がぴくぴく動き続け、眠りが浅くなる状態です。
本人は気づかなくても、朝の疲れや日中の眠気として現れることがあります。
レム睡眠行動障害
夢の内容に合わせて大声を出したり、手足を動かしたりする睡眠障害です。
高齢男性に多く、神経疾患と関連することもあります。
高齢者の睡眠を整えるためにできること
高齢者の睡眠改善では、「無理に長く寝る」ことより、生活のリズムを整えて眠りやすい条件をつくることが大切です。
①朝の起床時間を決め、朝日を浴びる
まず、朝はできるだけ同じ時間に起き、カーテンを開けて光を浴びましょう。
朝の光は体内時計を整え、夜の自然な眠気につながります。
②規則正しく3食とる
食事は3食できるだけ規則正しくとるのが基本です。
特に朝食は、生活リズムを整える助けになります。
③日中は体を動かす
日中は、散歩や家事、軽い体操などでなるべく体を動かしましょう。
活動量が少なすぎると、夜の眠気が弱くなります。
④昼寝は目安を守る
昼寝をするなら、午後3時までに20~30分以内が目安です。
長すぎる昼寝や夕方以降の仮眠は、夜の睡眠を邪魔しやすくなります。
⑤就寝前の嗜好品や入浴に注意
就寝前のアルコール、カフェイン、喫煙は避けたほうが安心です。
寝酒は一時的に眠くなっても、夜中に目が覚めやすくなり、睡眠の質を下げます。
入浴するなら、寝る直前ではなく、就寝の1~2時間前くらいにぬるめのお湯でゆっくり温まるのがおすすめです。
また、布団に入って20分以上眠れないときは、無理に寝ようとし続けるより、一度寝床を離れて落ち着いて過ごすほうが、睡眠への苦手意識を減らしやすくなります。
高齢者の睡眠は「時間」より「質」を見たほうがいい
ここがとても大事なポイントです。
高齢者では、睡眠時間だけを見ても、実際の睡眠状態はわからないことがあります。
6時間でもよく休めている人もいれば、7時間寝ていても浅い眠りばかりで疲れが残る人もいます。
特に、
- 夜中に何度も起きる
- 朝起きてもだるい
- 日中に眠い
- いびきがある
- 脈の乱れや動悸が気になる
- 睡眠中の呼吸や心拍が不安
という場合は、「睡眠時間」ではなく「睡眠の質」や「夜間の身体の状態」まで確認する視点が大切です。
ココロミルのホーム心臓ドックproでは、自宅で長時間の心電図データをもとに、睡眠中の心拍の状態、ストレス負荷、自律神経の乱れ、睡眠時無呼吸症候群の兆候などを確認できます。
「高齢だから眠れないのは仕方ない」で終わらせず、夜の体の状態を客観的に知ることで、改善に繋がります。
たとえば、睡眠時間は足りているつもりなのに疲れが取れない場合、実は睡眠中も心拍が高く、身体が休めていないことがあります。
また、不整脈や無呼吸の兆候が隠れていて、眠りの浅さやだるさにつながっていることもあります。ホーム心臓ドックproのデータでも加齢に伴いBやC判定が検出されることが分かっています。

高齢者の睡眠で本当に大切なのは、ただ長く寝ることではなく、夜にしっかり休めているかどうかです。
自分の「睡眠の質」を知る方法
こうした“時間ではわからない睡眠の質”は、どうのように調べたらいいのでしょうか。
ホーム心臓ドックproは、小型心電計を胸に貼り一晩眠るだけで
- 心拍や突然死リスクにつながる不整脈などの心疾患
- 睡眠の質、睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 交感神経・副交感神経
- ストレスの兆候
をまとめてチェックできる「心電図解析サービス」です。
内蔵の小型心電計は大学病院でも使われている高精度なウェアラブル心電計です。結果は専門の医療従事者が解析し、わかりやすいレポートにしてお送りします。
以下はレポートの一部です。


「自分は睡眠時間が足りないのか、それとも睡眠の質に問題があるのか」忙しい中でも手軽に見極められます。
自分の状態を知りたい方は、ホーム心臓ドックproでチェックしてみるのもおすすめです。
⇒自分の状態を知りたい方はこちら
関連記事
こんなときは医療機関に相談を
次のような場合は、自己判断せず、主治医や睡眠外来、専門医に相談したほうが安心です。
- 睡眠の問題が1か月以上続いている
- 日中の眠気や疲労で生活に支障が出ている
- いびきや無呼吸を指摘された
- 夜間の息苦しさ、動悸、胸苦しさがある
- 脚の不快感、異常行動、大きな寝言がある
- 睡眠薬を飲んでも改善しない
- うつっぽさ、不安の強さ、認知機能低下が気になる
特に高齢者は、睡眠の悩みの背景に持病や心血管系の異常が関わっていることもあるため、「年齢のせい」と決めつけないことが大切です。
まとめ:高齢者の睡眠は変化するもの
睡眠時間が短くなること、眠りが浅くなること、夜中に目が覚めやすくなることは、ある程度自然な変化です。
ただし、その一方で、睡眠時無呼吸症候群や頻尿、痛み、不整脈、うつ、不安などが睡眠を悪化させていることもあります。
ホーム心臓ドックproのように、自宅で睡眠の質や夜間の心拍、無呼吸の兆候を確認できる方法を活用すると、今の状態を客観的に把握しやすくなります。
気になる方は、睡眠時間だけでなく、睡眠中の身体の状態まで確認してみましょう。
“年齢のせい”で片づけず、まずは自分の睡眠の実態を知ることから始めてみてください。
本記事の医療情報の作成・確認体制・監修
本記事は、心疾患・循環器領域の医療機器メーカーである株式会社ココロミルが運営しています。
内容は、社内の編集チームが作成し、公開前に薬事・品質管理チームが確認しています。
内容確認:株式会社ココロミル 薬事・品質管理チーム
- 薬機法担当/医療機器最高技術責任者(CTO)
総括製造販売責任者・管理責任者・国内品質業務運営責任者:岡庭 貴志 - 製造販売業管理監督者:林 大貴
- 安全管理責任者:髙橋雄太
- 製造業責任技術者:白築 直樹
薬機法・医療広告ガイドラインに配慮し、誤解を招く表現がないようチェックを行っています。
詳しくは、医療情報発信ポリシーでもご確認いただけます。
参考にしている主な情報源
本記事の内容は、次のような信頼できる情報を参考にしています。
- 厚生労働省など行政機関の資料・統計・ガイドライン
- 日本循環器学会などの学会が公表する診療ガイドライン・声明
- ピアレビューを経た医学・科学論文
- 大学・公的研究機関の研究成果 など
必要に応じて内容を見直し、重要な更新があれば記事を改訂します。
情報のご利用にあたって
本記事は、心疾患・循環器疾患などに関する一般的な情報提供・啓発を目的としており、
特定の方の診断や治療方針の決定、医療行為の代わりにはなりません。
胸の症状や動悸、不整脈を指摘されたことがある方、体調に不安のある方は、
この記事だけで判断せず、必ず医師・医療機関にご相談ください。
本記事をもとに、自己判断で受診を控えたり、治療・服薬を中止・変更することはお控えください。

