ヘルスケアに関するコラム
2026年8月17日
ストレスで不整脈は起こる?脈が飛ぶ・動悸の原因、危険なサインと対処法
「仕事でストレスが強くなると、心臓がドキッとする」
「疲れている日に脈が飛ぶような感覚がある」
「ストレスによる不整脈なら、放っておいても大丈夫?」
このような不安を感じている方もいるでしょう。
結論からいうと、ストレスや睡眠不足、疲労は、不整脈を引き起こしたり、もともとある不整脈を起こりやすくしたりする要因になります。
一方で、ストレスがあるからといって、動悸や脈の乱れの原因が「ストレスだけ」とは限りません。自己判断のに、期外収縮や心房細動などの不整脈が隠れていることもあります。
大切なのは、ストレスが原因かどうかを感覚だけで決めるのではなく、実際にどのような心拍が起きているのかを確認することです。
この記事では、ストレスと不整脈の関係、脈が飛ぶ・心臓がバクバクする理由、危険な症状、受診の目安、自分でできる対策まで解説します。
また、「病院へ行ったときには症状が治まっている」という不整脈特有の悩みに対して、日常生活から睡眠中まで心電図を記録する方法についても紹介します。
30秒でわかる|ストレスと不整脈の関係
まず、この記事のポイントを整理します。
- ストレスや睡眠不足は、不整脈を引き起こしたり助長したりすることがある
- ストレスを受けると心拍数が増えること自体は、正常な身体反応でもある
- 「動悸」と「不整脈」は同じ意味ではない
- ストレス時に感じる「ドクン」「脈が飛ぶ」は期外収縮でみられることがある
- 心房細動など、治療が必要な不整脈でも似た症状が起こる
- 胸痛、強い息苦しさ、失神などを伴う場合は速やかな受診が必要
- 発作が出たり消えたりする場合は、症状が起きた時間帯の心電図を記録することが重要
- 「ストレスのせい」と決めつけず、客観的なデータをもとに次の行動を考えることが大切
ストレス・睡眠不足、カフェイン、喫煙、アルコールなどは、不整脈を引き起こしたり助長したりする可能性があります。
参照
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈|生活上の注意」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about5.htm
ストレスで不整脈は起こる?
ストレスは、不整脈を起こしたり悪化させたりする誘因になることがあります。
私たちの体は、心理的・身体的なストレスを受けると、それに対応するために心拍数や血圧を変化させます。
例えば、
- 大勢の前でプレゼンする
- 上司から突然呼び出される
- 仕事の締め切りに追われる
- 強い不安を感じる
といった場面で、心臓が「バクバクする」と感じた経験がある方もいるでしょう。
このような心拍数の増加は、ストレスに対する生理的な反応として起こります。心理的なストレス反応だけでなく、心拍数増加や血圧上昇などの身体反応も生じます。
ただし、強いストレスが続いたり、睡眠不足や疲労などが重なったりすると、期外収縮などの不整脈が増える場合があります。精神的ストレス、睡眠不足、疲労は期外収縮を悪化させる要因として挙げられています。
参照
厚生労働省「こころの耳|ストレス反応」
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1619/
国立循環器病研究センター「不整脈」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/arrhythmia/
なぜストレスを感じると心臓がドキドキする?
自律神経が心拍を調節している
心臓の動きには、自律神経が深く関係しています。
自律神経は、意識しなくても心拍や血圧、消化などを調節している神経で、主に次の2つから成り立っています。
| 自律神経 | 主に働きやすい場面 | 心拍への作用 |
|---|---|---|
| 交感神経 | 活動、緊張、ストレス | 心拍を速くする方向 |
| 副交感神経 | 休息、リラックス、睡眠 | 心拍を抑える方向 |
ストレスを受けると、体は活動・警戒状態へ移行します。
そのため交感神経の働きが高まり、心拍数や血圧が上昇しやすくなります。
ただし、「交感神経=悪い」「副交感神経=良い」という意味ではありません。
仕事をする、運動する、朝起きるといった場面では、交感神経が働く必要があります。
重要なのは、日中の活動時と夜間の休息時など、状況に合わせて自律神経の働きが変化することです。
参照
厚生労働省「働く女性の心とからだの応援サイト|ストレスとは」
https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/health/column-3.html
国立循環器病研究センター「首に貼る多点シート電極による非侵襲的な交感神経活動計測技術を開発へ」
https://www.ncvc.go.jp/pr/release/pr_53278/
「動悸」と「不整脈」は同じもの?
動悸と不整脈は同じものではありません。
この違いは、ストレスと不整脈を考えるうえで非常に重要です。
動悸
動悸とは、自分の心臓の拍動を不快に感じる「症状」です。
例えば、
- 心臓がバクバクする
- ドクンと大きく打つ
- 心臓が速く動いている感じがする
- 胸がざわざわする
といった感覚が含まれます。
不整脈
不整脈は、心臓の拍動が不規則になったり、極端に速くなったり遅くなったりする「状態」です。
つまり、
動悸があっても、不整脈が起きているとは限りません。
反対に、不整脈が起きていても、自覚症状がないことがあります。
不整脈では、ドキドキする、脈が飛ぶ、息切れ、めまい、胸苦しさ、失神などが起こる場合があります。
参照
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈の症状は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about2.htm
ストレスがあるときに起こりやすい不整脈
1.期外収縮|「ドクン」「脈が飛ぶ」と感じる
ストレスや寝不足が続いているときに感じやすい代表的な不整脈が、期外収縮です。
期外収縮は、本来の心拍よりも少し早いタイミングで心臓が収縮する不整脈です。
人によって、
- 一瞬ドクンとする
- 脈が一拍飛ぶ
- 胸が一瞬つまる
- 心臓が大きく打った感じがする
などと感じます。
期外収縮は健康な人にもみられ、多くの場合は重大な心臓病とは関係しません。
一方で、心室性期外収縮の一部では、心筋梗塞や心筋症など心臓の病気が背景にある場合もあります。
そのため、
「一瞬だから大丈夫」
「ストレスが多いから期外収縮だろう」
と症状だけで判断することはできません。
参照
国立循環器病研究センター「不整脈」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/arrhythmia/
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈の症状は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about2.htm
2.ストレスによる心拍数の増加
緊張や不安を感じたときに心臓が速く打つこと自体は、必ずしも病的な不整脈ではありません。
強いストレスを受けると、身体反応として心拍数が増えることがあります。
例えば、
「会議の直前になると心臓がバクバクする」
「人前で話すときだけ脈が速くなる」
という場合は、ストレスへの正常な反応である可能性もあります。
一方、
- 安静にしているのに突然非常に速くなる
- 突然始まって突然止まる
- 何度も繰り返す
- 長時間続く
- 息切れやめまいを伴う
という場合は、発作性上室性頻拍などの不整脈との区別が必要です。
参照
厚生労働省「こころの耳|ストレス反応」
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1619/
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈の症状は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about2.htm
3.心房細動|「ストレスだから」で済ませてはいけない不整脈
特に注意したい不整脈の一つが「心房細動」です。
心房細動では、心臓の上部にある心房の電気活動が乱れ、脈の間隔が不規則になります。
症状として、
- 心臓がバクバクする
- 脈が飛ぶ
- 脈がバラバラする
- 息切れする
- 胸が苦しい
- 胸が痛い
- めまいがする
などが現れることがあります。
一方で、まったく症状がないまま健康診断などで見つかることもあります。
心房細動が重要なのは、脳梗塞につながる可能性があるためです。心房細動がある場合、症状の有無にかかわらず脳梗塞への注意が必要です。
精神的ストレスや睡眠不足、疲労、過度な飲酒などによって、心房細動を誘発する期外収縮が増えることもあります。
そのため、
「仕事が忙しいときに出るからストレスだけだろう」
と決めつけるのは避けましょう。
参照
一般社団法人 日本循環器学会「危険な不整脈の原因と兆候は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about3.htm
国立循環器病研究センター「不整脈」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/arrhythmia/
「ストレス性の不整脈」と「心臓の病気」は自分で見分けられる?
自覚症状だけで正確に区別することは困難です。
例えば、
「ストレスが強いときだけ出る」
「仕事中にしか出ない」
「寝不足のときに多い」
という特徴があったとしても、それだけで心臓の病気を否定することはできません。
むしろ、もともと存在している不整脈が、ストレスや睡眠不足によって出現しやすくなっている可能性もあります。
つまり、
ストレスは不整脈の「原因」になるだけでなく、不整脈を起こしやすくする「きっかけ」になる場合もある
ということです。ストレスや睡眠不足は、不整脈を助長する要因として挙げられています。
「ストレスがあるかどうか」より、
実際に症状が出ている時間帯の心拍を確認すること
が重要です。
参照
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈|生活上の注意」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about5.htm
ストレスによる不整脈は放置しても大丈夫?
不整脈には、治療を必要としないものから、適切な治療が必要なものまであります。
期外収縮の多くは大きな問題にならない一方、心房細動や心室頻拍などでは治療が必要になる場合があります。
そのため、
「ストレスが原因だと思うから」
「しばらくすると治るから」
という理由だけで、繰り返す動悸を放置するのはおすすめできません。
次のような場合は、循環器内科などへの相談を検討してください。
- 動悸や脈飛びを何度も繰り返す
- 以前より頻度が増えている
- ストレスが少ないときにも起こる
- 夜間や安静時にも起こる
- 脈が明らかに不規則
- 健康診断で不整脈を指摘されている
- 動悸に息切れやめまいを伴う
- 心臓病などの持病がある
参照
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈の治療」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about4.htm
一般社団法人 日本循環器学会「危険な不整脈の原因と兆候は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about3.htm
この症状がある場合は「ストレスのせい」と考えず、早めに対応する
次のような症状を伴う場合は、セルフケアだけで様子を見続けないでください。
- 強い胸痛・胸の圧迫感
- 強い息苦しさ
- 意識が遠のく
- 失神した
- 激しいめまい
- 冷や汗を伴う
- 強い動悸が続いている
- 心臓病があり、これまでと違う症状が出た
重度の不整脈では、心臓から十分に血液を送り出せなくなり、めまいや失神が起こることがあります。致死性不整脈では、意識消失や心肺停止が最初の症状となる場合もあります。
緊急性が高いと感じる場合は119番へ連絡してください。
救急車を呼ぶべきか判断に迷う場合は、実施地域では「#7119」で医師、看護師、救急救命士などへ相談できます。
参照
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈の症状は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about2.htm
一般社団法人 日本循環器学会「危険な不整脈の原因と兆候は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about3.htm
総務省消防庁「救急安心センター事業 #7119」
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html
ストレスで脈が飛ぶ・動悸がするときに自分でできること
1.まず動作を止める
心臓がバクバクする、脈が飛ぶ、めまいがするといった症状が出た場合は、まず安全な場所で休みましょう。
めまいやふらつきがあるときは、無理に歩くと転倒する可能性があります。
2.脈の速さとリズムを確認する
可能であれば、手首で脈を取ってみましょう。
確認するのは、
- 速いか
- 遅いか
- 規則的か
- バラバラか
- 脈が抜ける感じがあるか
です。
15秒間の脈拍数を数えて4倍すると、1分間のおおよその脈拍数を確認できます。
不整脈を感じているときの脈拍を確認しておくと、診断や治療方針を考える際の情報になります。
参照
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈の症状は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about2.htm
3.「いつ・何をしていたか」を記録する
不整脈では、症状そのものだけでなく、「どのような状況で発生したか」も重要です。
例えば、
- 会議やプレゼン中
- 残業が続いた日
- 寝不足の翌日
- コーヒーを多く飲んだ後
- エナジードリンクを飲んだ後
- 飲酒した夜
- 運動中
- 睡眠中
- 起床直後
などを記録します。
「10時30分ごろ、会議中にドクンとした」
というように時間も残しておくと、長時間心電図の記録と照らし合わせやすくなります。
4.カフェイン・飲酒・喫煙を見直す
不整脈を助長する可能性があるものとして、
- カフェイン
- 喫煙
- アルコール
- ストレス
- 睡眠不足
などがあります。
ストレスが強い時期は、
「眠いからコーヒーを増やす」
「夜はお酒を飲んで寝る」
という生活になりやすいため、注意が必要です。
参照
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈|生活上の注意」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about5.htm
5.睡眠時間を削らない
仕事が忙しいほど、睡眠は後回しになりがちです。
しかし、睡眠不足自体が体への負担となり、不整脈を助長する可能性があります。
成人では、6時間以上を目安として、自分に必要な睡眠時間を確保することが一つの目安になります。
ただし、「6時間眠れば誰でも十分」という意味ではありません。
必要な睡眠時間には個人差があるため、
- 朝に休めた感覚があるか
- 日中に強い眠気がないか
- 集中力が保てているか
なども確認する必要があります。
参照
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈|生活上の注意」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about5.htm
ストレスを減らせば不整脈は治る?
ストレスや睡眠不足が不整脈を起こすきっかけになっている場合、生活環境を改善することで症状が減る可能性はあります。
例えば、
- 十分な睡眠時間を確保する
- 長時間労働を見直す
- 過度なカフェイン摂取を減らす
- 飲酒量を見直す
- ストレス源から離れる時間を作る
といった対応です。
ただし、
「休んだら治った=危険な不整脈ではない」
とは判断できません。
また、「自律神経を整えれば、すべての不整脈が治る」というものでもありません。
不整脈の種類や状態によっては、薬物療法、カテーテルアブレーション、ペースメーカーなどの治療が必要です。
参照
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈の治療」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about4.htm
病院では不整脈をどうやって調べる?
心電図検査
不整脈を確認する基本的な方法の一つが心電図です。
心電図では、心臓から発生している電気信号を記録し、心拍のリズムに異常がないかを確認します。
ただし、不整脈には大きな難しさがあります。
それが、
「検査しているときに不整脈が起きているとは限らない」
ことです。
例えば、
「朝だけ動悸がする」
「仕事中に突然ドクンとする」
「夜中に数分だけ心臓がバクバクする」
という場合、病院へ行った頃には症状が治まっていることがあります。
ホルター心電図などの長時間心電図
そこで重要になるのが、長時間にわたって心電図を記録する検査です。
ホルター心電図では、普段の生活をしながら長時間心電図を記録し、
胸痛・動悸・めまいなどの症状が起きた時間に、心電図がどう変化していたか
を調べます。
一時的に発生する不整脈では、記録時間を長くすることで発作を捉えられる可能性が高まります。2026年には、7日間の心電図記録によって、短時間のモニタリングでは見逃されやすい低頻度の発作性心房細動を捉える有用性も国内データで示されています。
参照
国立循環器病研究センター「ホルター心電図(長時間心電図)」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/laboratorymedicine/physiofunction/detail03/
国立循環器病研究センター「7日間の心電図検査で“見逃されていた心房細動”が見つかる」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/topics/topics_36979/
【体験談】「ストレスかな」で終わらせず、記録したことで次の行動へ進めた
Aさん(45歳・女性)は、ある日突然、胸のあたりにこれまで感じたことのない違和感を覚えました。
激しい痛みが続くわけではありません。心臓が一瞬「ドクン」とするような感覚が突然現れ、しばらくすると治まります。
症状がなくなると普段どおりに生活できるため、「疲れているだけかもしれない」「ストレスなのかもしれない」と思う一方、「心臓の病気だったら?突然死したらどうしよう」という不安もありました。
さらに困ったのが、どの病院へ行けばよいのか分からなかったことです。
内科なのか、循環器内科なのか。そもそも病院へ行くほどの症状なのか。そして、病院へ行こうと思ったときには、すでに症状が治まっています。
「症状が出ていないときに検査をしても、何も分からないのではないか」
「たまに胸がおかしくなるだけで、医師にきちんと伝わるだろうか」
そう考え、受診するかどうか判断できない状態が続いていました。
ホーム心臓ドックproで「感覚」を「記録」に変えた
そこで利用したのが「ホーム心臓ドックpro」。
自宅で小型の心電計を装着し、普段の生活中から睡眠中まで心電図を長時間記録しました。
それまで本人が持っていた情報は、「たまにドクンとする」「胸のあたりに違和感がある」という自分の感覚だけでしたが、長時間の心電図を記録したことで、「自分が違和感を感じている間、体の中では何が起きているのか?」「本当に心臓の違和感なのか」をチェックできる客観的なデータができました。
結果レポートを受け取ったことで、「ストレスのせいかもしれないから様子を見る」という状態から、「心拍の記録を持って、医療機関に相談する」という行動を起こせました。
ホーム心臓ドックproによって病気が治るわけではありません。
不安が完全になくなったわけでもありませんが、分からない状態で健康リスクを放置する時間を減らし、自分の体の情報を持って次の判断ができる状態になったことでした。
体調が大きく悪化してから動くのではなく、「何か変だ」と感じた段階で自分の状態を確認する。
ココロミルでは、こうした行動も予防医療の大切な一歩だと考えています。
⇒「ホーム心臓ドックpro」についてははこちらから
「ストレスのせいかも」を感覚だけで終わらせない|ホーム心臓ドックpro
ココロミルの「ホーム心臓ドックpro」は、自宅でウェアラブル心電計を胸に装着し、日常生活から睡眠中まで心電図を長時間記録するサービスです。
現在のサービスでは、最低9時間以上、1泊2日・最大24時間の計測が推奨されています。
長時間のデータから、
- 不整脈
- 睡眠時無呼吸症候群(SAS)
- 睡眠の質
- ストレスの兆候
などを可視化します。
検査機器を返送すると、心電図データを解析した結果レポートがメールで届きます。
参照
株式会社ココロミル「ホーム心臓ドック」
https://kokoromil.com/service/
なぜ「ストレス×不整脈」とホーム心臓ドックproは相性がよい?
1.症状が出たり消えたりするから
不整脈は、24時間ずっと発生しているとは限りません。
「仕事で緊張した瞬間」
「寝る前」
「朝起きたとき」
「睡眠中」
など、限られた時間にだけ起きることがあります。
病院へ行く頃には症状が消えている人にとって、普段の生活を送りながら長時間記録することには意味があります。
一般的なホルター心電図でも、日常生活中の心電図と症状が起きたタイミングを照らし合わせることが重要です。
参照
国立循環器病研究センター「ホルター心電図(長時間心電図)」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/laboratorymedicine/physiofunction/detail03/
2.不整脈だけでなく、睡眠やストレスも同時に振り返れるから
ストレスと不整脈を考えるとき、
「不整脈があるか」
だけでなく、
「睡眠不足になっていないか」
「休息できているのか」
という視点も重要です。
睡眠不足は不整脈を助長する可能性があり、十分な睡眠の確保は健康維持にも重要です。
ホーム心臓ドックproでは、心電図データをもとに、不整脈だけでなく睡眠やストレスの兆候についても解析します。
参照
株式会社ココロミル「ホーム心臓ドック」
https://kokoromil.com/service/
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
3.「自律神経が乱れている気がする」をデータで振り返る材料になるから
ストレスを感じている人の中には、
「交感神経がずっと働いている気がする」
「夜になっても体が休息モードに入らない」
と感じる方もいるでしょう。
自律神経の評価では「心拍変動(HRV)」という指標が広く利用されています。
心拍変動とは、心拍と心拍の間隔に生じる細かなゆらぎを解析するものです。
ただし、ここには重要な注意点があります。
心拍変動は、交感神経や副交感神経を直接測っているものではありません。
自律神経活動を反映する間接的な指標であり、心拍変動だけから交感神経と副交感神経を厳密に分離して評価することには限界があります。
そのため、
「この数値だから自律神経失調症」
「交感神経が○%だから病気」
という判断をするものではありません。
長時間心電図や心拍変動などを通じて、自分の心拍や自律神経に関連する変化を振り返るための一つの材料として活用することが適切です。
参照
国立循環器病研究センター「首に貼る多点シート電極による非侵襲的な交感神経活動計測技術を開発へ」
https://www.ncvc.go.jp/pr/release/pr_53278/
ウェアラブル心電計は「病院へ行かなくてよい」という意味ではない
携帯型・装着型の心電計は、日常生活中の心拍を記録する手段として活用が広がっています。
2025年には、日本不整脈心電学会と日本循環器学会が「携帯型/装着型心電計の適切使用に関するコンセンサスステートメント」を公表しています。
重要なのは、家庭で心電図を記録することと、医師による診断・治療は役割が異なるということです。
ホーム心臓ドックproも、医療機関での診察や治療の代わりとして利用するものではありません。
特に、
- 強い胸痛
- 呼吸困難
- 失神
- 意識障害
- 急速に悪化する症状
がある場合は、ホーム心臓ドックproの申し込みや検査よりも、医療機関への受診・救急対応を優先してください。
参照
一般社団法人 日本循環器学会/日本不整脈心電学会
「2025年 携帯型/装着型心電計の適切使用に関するコンセンサスステートメント」
https://www.j-circ.or.jp/topics/wearable-electrocardiograph/
このような方は、心拍を長時間確認してみる選択肢があります
- ストレスが強い日に「ドクン」とする
- 仕事中に心臓がバクバクすることがある
- 脈が飛ぶ感じを繰り返す
- 病院へ行く頃には症状が治まっている
- 健康診断では異常がなかったが動悸が気になる
- 夜や睡眠中にも動悸を感じる
- 寝不足やストレスも気になっている
- 「自律神経のせい」と思っているものの、実際の状態を確認したことがない
- 「病院に行くほどなのか分からない」と迷っている
不整脈は、症状が出ている時間帯の心電図を記録することが重要です。
「ストレスが原因だろう」と推測し続けるより、まず自分の体で何が起きているのかを確認するという選択肢があります。
「ストレスのせいかも」で終わらせないために
「病院へ行ったときには症状がなくなっている」
「不整脈なのか、ただ緊張しているだけなのか分からない」
「睡眠中の心拍まで一度確認してみたい」
そんな方は、自宅で普段の生活を送りながら心電図を記録してみませんか。
ホーム心臓ドックproで、不整脈・睡眠・ストレスの状態を確認する
※ホーム心臓ドックproは医療機関での診断・治療の代わりになるものではありません。強い胸痛、呼吸困難、失神などがある場合は、速やかに医療機関へ相談してください。
ストレスによる不整脈を繰り返さないために
不整脈に緊急性がないことが確認できた場合は、不整脈を起こしやすくする生活要因を見直していきます。
十分な睡眠時間を確保する
忙しい時期ほど、
「あと1時間仕事をする」
「睡眠時間を削れば何とかなる」
と考えやすくなります。
しかし、睡眠不足は不整脈を助長する可能性があります。
成人では6時間以上を一つの目安に、自分に必要な睡眠時間を確保しましょう。
参照
厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
ストレス対策を「追加する」だけでなく、ストレス源を減らす
深呼吸や入浴、趣味などもストレス対策になります。
しかし、
- 毎日長時間残業している
- 睡眠時間を確保できない
- 休日も仕事の連絡が来る
- 強い人間関係のストレスが続いている
という状態であれば、「リラックスする方法を増やす」だけでは不十分な場合があります。
仕事量や勤務時間、人間関係など、ストレスそのものを減らせないか検討することも重要です。
厚生労働省では、ストレス対策について、ストレス反応を緩和するだけでなく、ストレス要因そのものへの働きかけもストレスマネジメントに含めています。
参照
厚生労働省「こころの耳|メンタルヘルス関係 用語解説」
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossarycat/mentalhealth/
カフェイン・アルコール・喫煙を見直す
動悸や不整脈が気になる時期は、
- コーヒー
- エナジードリンク
- アルコール
- 喫煙
なども見直しましょう。
特に、寝不足をカフェインで補い、夜はアルコールで眠るという生活になると、睡眠を含めた生活リズムそのものが崩れやすくなります。
不整脈を持つ方では、これらが症状を増悪させる場合があります。
参照
一般社団法人 日本循環器学会「不整脈|生活上の注意」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about5.htm
ストレスと不整脈についてよくある質問
Q.ストレスだけで不整脈は起こりますか?
ストレスは、不整脈を引き起こしたり、もともとある不整脈を起こりやすくしたりする要因になります。
特に精神的ストレス、睡眠不足、疲労などは、期外収縮を悪化させることがあります。
ただし、「ストレスがある」というだけで不整脈の原因を確定することはできません。
Q.ストレスで脈が飛ぶのは期外収縮ですか?
期外収縮では、「脈が飛ぶ」「一瞬ドキッとする」「胸がつまる」と感じることがあります。
ただし、症状だけで期外収縮と確定することはできません。
繰り返す場合は、心電図で実際の心拍を確認することが重要です。
Q.ストレス性の不整脈なら放置しても大丈夫ですか?
ストレスが関係している可能性があっても、自己判断で放置するのはおすすめできません。
心房細動など、治療が必要な不整脈でも似た症状が起こります。
動悸を繰り返す、頻度が増えている、胸痛・息切れ・めまいなどを伴う場合は循環器内科へ相談してください。
Q.不整脈は何科を受診すればよいですか?
基本的には循環器内科が適しています。
どの診療科へ行けばよいか分からない場合は、まず内科やかかりつけ医に相談しても構いません。
強い胸痛、呼吸困難、失神などがある場合は、通常の外来受診ではなく救急対応が必要な可能性があります。
Q.病院の心電図で「異常なし」なら安心ですか?
検査をしている時間に不整脈が起きていなければ、発作性の不整脈を記録できないことがあります。
症状が出たり消えたりする場合は、ホルター心電図などの長時間心電図が必要か医師へ相談しましょう。
Q.自律神経を整えれば不整脈は治りますか?
ストレスや睡眠不足が誘因になっている場合、生活習慣を見直すことで症状が減る可能性はあります。
一方で、不整脈にはさまざまな種類があり、薬物療法やカテーテル治療などが必要なものもあります。
「自律神経を整えれば不整脈が治る」と一括りにすることはできません。
Q.心拍変動を測れば、自律神経の状態が分かりますか?
心拍変動(HRV)は、自律神経活動を反映する指標として広く使用されています。
ただし、交感神経や副交感神経そのものを直接測定しているわけではありません。
一つの数値だけで、自律神経失調症やストレスの有無を診断することもできません。
長時間の変化を振り返るための参考情報として捉えることが重要です。
まとめ|「ストレスのせい」で終わらせず、実際の心拍を確認する
ストレスや睡眠不足、疲労は、不整脈を引き起こしたり悪化させたりする要因になります。
特に期外収縮は、精神的ストレス、睡眠不足、疲労などで増えることがあります。
ただし、
動悸=不整脈ではありません。
そして、
不整脈=ストレスが原因とも限りません。
「最近仕事が忙しいから」
「ストレスが多いから」
「寝不足だから」
という理由だけで、繰り返す動悸や脈の乱れを放置しないことが大切です。
不整脈は、病院へ行ったときには治まっていることがあります。
そのような場合は、日常生活中から睡眠中まで長時間心電図を記録し、症状が出ている時間帯に実際の心拍がどうなっていたのかを確認することが、次の行動を考える材料になります。
「ストレスかもしれない」で止まらず、自分の体で実際に何が起きているのかを知る。
気になる段階で状態を確認し、必要であれば医療機関につなげる。
それが、不整脈を「悪化してから気づく」のではなく、早い段階で向き合うための一歩です。
参考資料・医学情報ソース
国立循環器病研究センター
「不整脈」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/pub/knowledge/disease/arrhythmia/
「ホルター心電図(長時間心電図)」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/section/treatment/laboratorymedicine/physiofunction/detail03/
「7日間の心電図検査で“見逃されていた心房細動”が見つかる」
https://www.ncvc.go.jp/hospital/topics/topics_36979/
「首に貼る多点シート電極による非侵襲的な交感神経活動計測技術を開発へ」
https://www.ncvc.go.jp/pr/release/pr_53278/
一般社団法人 日本循環器学会
「不整脈の症状は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about2.htm
「危険な不整脈の原因と兆候は?」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about3.htm
「不整脈の治療」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about4.htm
「不整脈|生活上の注意」
https://www.j-circ.or.jp/sikkanpg/case/case5/about5.htm
「2022年改訂版 不整脈の診断とリスク評価に関するガイドライン」
https://www.j-circ.or.jp/guideline/guideline-series/
「2025年日本不整脈心電学会/日本循環器学会 携帯型/装着型心電計の適切使用に関するコンセンサスステートメント」
https://www.j-circ.or.jp/topics/wearable-electrocardiograph/
厚生労働省
「こころの耳|ストレス反応」
https://kokoro.mhlw.go.jp/glossaries/word-1619/
「健康づくりのための睡眠ガイド2023」
https://www.mhlw.go.jp/content/001305530.pdf
総務省消防庁
「救急安心センター事業 #7119」
https://www.fdma.go.jp/mission/enrichment/appropriate/appropriate007.html
株式会社ココロミル
「ホーム心臓ドック」
https://kokoromil.com/service/
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本記事の医療情報の作成・確認体制・監修
本記事は、心疾患・循環器領域の医療機器メーカーである株式会社ココロミルが運営しています。
内容は、社内の編集チームが作成し、公開前に薬事・品質管理チームが確認しています。
内容確認:株式会社ココロミル 薬事・品質管理チーム
- 薬機法担当/医療機器最高技術責任者(CTO)
総括製造販売責任者・管理責任者・国内品質業務運営責任者:岡庭 貴志 - 製造販売業管理監督者:林 大貴
- 安全管理責任者:髙橋雄太
- 製造業責任技術者:白築 直樹
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参考にしている主な情報源
本記事の内容は、次のような信頼できる情報を参考にしています。
- 厚生労働省など行政機関の資料・統計・ガイドライン
- 日本循環器学会などの学会が公表する診療ガイドライン・声明
- ピアレビューを経た医学・科学論文
- 大学・公的研究機関の研究成果 など
必要に応じて内容を見直し、重要な更新があれば記事を改訂します。
情報のご利用にあたって
本記事は、心疾患・循環器疾患などに関する一般的な情報提供・啓発を目的としており、
特定の方の診断や治療方針の決定、医療行為の代わりにはなりません。
胸の症状や動悸、不整脈を指摘されたことがある方、体調に不安のある方は、
この記事だけで判断せず、必ず医師・医療機関にご相談ください。
本記事をもとに、自己判断で受診を控えたり、治療・服薬を中止・変更することはお控えください。




