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不整脈について学ぶ

危険度MAX!! 心房細動とは

心房細動とは、心房内に流れる電気信号の乱れによって起きる「不整脈」の一種で、心房が痙攣したように細かく震え、血液をうまく全身に送り出せなくなる病気です。
特に問題となるのが、心房の中で「血液の固まり(血栓)」ができ、それが血流に乗って全身に運ばれ、血管を詰まらせてしまうことです。(心房細動.comより)

脳梗塞での死亡の8割!

心房細動によって作られた血の塊が脳に運ばれて発生する「心原性脳梗塞」による死亡は年間4万5千人程度と推計されます。
臓器ごとのがんの死亡数と比較すると、最大の肺がんに次ぐ数となっています。

​(厚生労働省 令和2年 人口動態統計 死因「脳梗塞」のうち、奥村謙ほか,CLINICIAN 2007. 557: 343-353から推計)

寝たきりの2割!

最大の寝たきりの原因となる脳卒中(34.5%)のうち、最も大きな原因となるのが、「心原性脳梗塞」なのです。
実に、脳卒中の3分の2、寝たきり全体でも2割が心房細動が原因となります。

​(平成25年厚生労働省「介護の状況」、日本脳卒中学会HP、奥村謙ほか,CLINICIAN 2007. 557: 343-353から推計)

健康診断で早期発見はできない!

皆さんが年に1回受診される健康診断では、慢性(いつも出ている)の不整脈しか見つかりません。
発作性(たまにしか出ない)の心房細動患者と慢性の心房細動患者は国内に同数いると言われていますが、脳梗塞の危険度は同じだと言われています。

ココロミル検査では若年の心房細動もみつかっています。
しかし、心房細動は加齢と共に発症率が増加するため、50歳以上の方は特に、おうちで出来る手軽なココロミル検査をおすすめしています。

健診ではみつからない!! 危険な不整脈

不整脈そのものが死につながった数は、2020年の厚労省の統計で約3万人とされています。

特に、無脈性心室頻拍や心室粗動といった発生する不整脈は命の危険があり、直ちにAEDなどで外部から電気刺激を与えて止める必要があります。心室側から発生する心室性期外収縮や心室頻拍にはその発生数や持続時間に応じて重大な心疾患が隠れている危険性があります。

​房室ブロックや洞不全症候群に伴う徐脈(脈がゆっくり)やポーズ(数秒間心臓が動かない)によって、血液が脳に十分いかず、めまいや気絶の原因となることがあります。その場合ペースメーカーの適応になることが多いです。

こういった不整脈は稀にしか発生しないことも多く、15秒程度しか計測しない健康診断の心電図検査で捉えることは困難です。24時間で十分か?と言われると微妙ですが、少なくとも健康診断の5,000倍以上の時間です。

また、不整脈は他の循環器疾患の影響で発生する場合もあります。C判定が出たら、心エコー検査のできる循環器内科専門クリニックの受診をおすすめしています。

レポートのみかた

A判定

検査期間中、注意すべき不整脈が出ていませんでした。

判定は、あくまで検査期間中にしっかり心電図が取れた部分を確認したものです。A判定だったからと言って、全くリスクが無い、というわけではありません。

B判定

検査期間中、気になる不整脈が出ていたものの、すぐに危険な状態になるリスクは低いです。

​動悸やめまい、胸痛などの自覚症状が無ければ、経過観察として1年後の再検をお勧めいたします。

C判定

検査期間中、治療を検討すべき不整脈(心房細動/粗動や心房頻拍、III度房室ブロック、長いポーズなど)が見つかった、または他の循環器疾患のリスクが予見される、という状態です。

​特に心房細動が見つかった方は、内服治療やカテーテル治療など何らかの治療が必要になることが多いので、できるだけ早く循環器内科専門のクリニックまたは総合病院を受診してください。

その他の不整脈がC判定の方は、10%くらいの方は治療が必要になります。循環器内科専門のクリニックを受診することをお勧めいたします。

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